2021年4月 - 2024年3月
形象遺物群からみた吉備中枢部の弥生墳丘墓研究の刷新
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、弥生時代の形象遺物群に着目し、吉備中枢の弥生墳丘墓の果たした歴史的意義を追究することを目的とする。この目的に沿い、2021年度は、岡山大学考古学研究室が1983年から1985年に発掘調査を行った岡山市雲山鳥打弥生墳丘墓群出土の形象遺物について、基礎的整理を進めた。雲山鳥打については、正式報告書が未刊な現状にあり、本研究の対象となる家形土器と鳥形土器についても、後者の一部を除き未報告資料である。本研究の着想のきっかけであり、研究の鍵を握る資料として初年度の研究対象とした。
研究は、雲山鳥打に関し、調査時の図面等の検討と、多量の出土土器の中から該当する形象遺物を探索する作業から開始した。本研究の主な対象である家形土器については、複数個体が存在するものと考えるが、薄手で、かつ精良な粘土からなる複雑な立体構造物となる。そのため通常の土器復元のように、家形土器の破片資料を接着剤で接合し、破片が見当たらない部分を石膏等で補填することに困難な側面もあった。こうした状況から、当初から本研究の方法として採用していたSfM写真計測の手法を破片資料に適用し、破片ごとに三次元データ化した上でソフトウェアにおいてそれらを接合する方法を試行した。また、複数個体が存在する家形土器と鳥形土器に関して、ハンドヘルドの蛍光X線装置を用い、胎土に関する理化学的情報を取得した。こうした雲山鳥打に関する基礎的研究は、2022年度以降の岡山県内外の形象遺物群に関する研究の基礎となるものである。
研究は、雲山鳥打に関し、調査時の図面等の検討と、多量の出土土器の中から該当する形象遺物を探索する作業から開始した。本研究の主な対象である家形土器については、複数個体が存在するものと考えるが、薄手で、かつ精良な粘土からなる複雑な立体構造物となる。そのため通常の土器復元のように、家形土器の破片資料を接着剤で接合し、破片が見当たらない部分を石膏等で補填することに困難な側面もあった。こうした状況から、当初から本研究の方法として採用していたSfM写真計測の手法を破片資料に適用し、破片ごとに三次元データ化した上でソフトウェアにおいてそれらを接合する方法を試行した。また、複数個体が存在する家形土器と鳥形土器に関して、ハンドヘルドの蛍光X線装置を用い、胎土に関する理化学的情報を取得した。こうした雲山鳥打に関する基礎的研究は、2022年度以降の岡山県内外の形象遺物群に関する研究の基礎となるものである。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K00955
- 体系的課題番号 : JP21K00955
この研究課題の成果一覧
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論文
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大学的岡山ガイド 106-110 2023年4月 招待有り
講演・口頭発表等
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考古学研究会第69回総会・研究集会 2023年4月22日
メディア報道
1-
山陽新聞社 山陽新聞 24 全県 2023年11月26日 新聞・雑誌
社会貢献活動
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