共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年8月 - 2025年3月

王陵級巨大古墳の構造分析に関する文理融合型総合研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
20H05634
体系的課題番号
JP20H05634
配分額
(総額)
195,650,000円
(直接経費)
150,500,000円
(間接経費)
45,150,000円

研究開始時点では想定できなかった長期にわたる新型コロナウィルスのパンデミックの影響を受けて、フィールド調査のいくつかは計画の順番変更を余儀なくされたが、困難を乗り越えておおむね順調、一部計画を先行して進めることができた。本研究はミュオン班・墳丘班・埴輪班の3つの班によって実施されている。それぞれの班ごとに研究経過を報告する。
ミュオン班:2020 年度は、古墳研究に適用するミュオン検出器の設計を検討し、検出器製作の基本方針を定め、製作を開始した。
墳丘班:墳丘班による三次元計測は、岡山市造山古墳周辺、総社市作山古墳で実施している。総社市鳶尾塚古墳の三次元計測も完了している。赤磐市両宮山古墳については、赤磐市教育委員会から三次元データを提供していただき、当初予定していた吉備三大古墳の墳丘三次元データを初年度で入手したことになる。次いでそれぞれのデータ整理を開始している。また、鳶尾塚古墳では墳丘の発掘調査を実施し、直径23mの円墳であることが推定されるに至っている。
埴輪班:造山古墳、両宮山周辺古墳(赤磐市森山古墳、同・宮山 4 号墳、同・岩田 3 号墳)と倉敷市二万大塚古墳出土埴輪の資料を所蔵機関から入手し、光学・電子顕微鏡による微細組織観察、X 線回折装置による鉱物同定、および電子線マイクロアナライザ・蛍光 X 線分析装置による化学分析を実施した。その結果、胎土には主に風化花崗岩起源の鉱物粒子と広域テフラ起源のガラス粒子が含まれており、それらの組成から生産地を特定できる可能性が示された。また、鉱物の熱変成と融解の程度により、野焼きと窖窯における焼成温度が見積もられた。埴輪の考古学的観察も並行して進め、造山古墳と畿内王陵系埴輪の比較研究を実施している。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-20H05634/20H05634_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H05634
ID情報
  • 課題番号 : 20H05634
  • 体系的課題番号 : JP20H05634

この研究課題の成果一覧

論文

  5

MISC

  3

講演・口頭発表等

  13

Works(作品等)

  1

社会貢献活動

  2

メディア報道

  2