共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

ネパール地震の被害を左右したカトマンズ盆地の地盤構造と地盤物性に関する基礎的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H04498
体系的課題番号
JP17H04498
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
8,320,000円
(直接経費)
6,400,000円
(間接経費)
1,920,000円

本研究の目的は、2015年4月25日、マグニチュード7.8のネパール・ゴルカ地震で大きな長周期地震動と小さな短周期地震動が観測されたカトマンズ盆地における観測地震動の周期別に大きく異なる原因を究明することにある。被害集中域とその周辺地域の建物被害と地盤振動特性の関係に着目して調査する。
2017年度、盆地内広範囲の地盤微動(300地点)により、盆地内卓越周期マップを作成し、建物被害が集中した地域とそれ以外の地域に分けた。代表的な複数区域(Khusibu、Gongabu、Sankhu)で追補的な微動観測、半径0.6mのアレイ微動探査、新たに表面波探査の結果を用いて地盤構造を推定した。20m以浅では、アレイ探査、表面波探査の結果が良く一致した。一方で、特に30mないし40mの深さでは精度が不十分であった。
そこで、初期計画にあった20mのPS検層を目的としたボーリングの実施を取りやめて、より深い構造を把握することを目的にしたアレイ微動探査を実施することとして、KhusibuとGongabuの2地区で、半径5mのアレイ微動探査を実施した。また、被害集中域の隣接地区でも単点微動観測を追加した。Khusibu地区については、集中したRC造建物被害は表層地盤の増幅特性を代表する0.5~1.5秒の卓越周期の違いや表層20m以浅のVsの小さい軟弱な層の厚さで説明できる可能性があることがわかった。Khusibu地区では、被害集中域とその境界地点の2箇所で長期間の微動観測データが得られ、岩手で適用性を確認した地震波干渉法を適用して、その結果が得られた。Gongabu地区については、現時点では、地盤の卓越周期分布やアレイ探査より判明した地盤の構造には、被害集中地域とその周辺で、単純で明瞭な違いは見られていない。被害の地域集中度は明瞭ではないため、もう少し広域に調べる必要がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H04498
ID情報
  • 課題番号 : 17H04498
  • 体系的課題番号 : JP17H04498