共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年

近隣大学および地域における情報保障支援の養成と活用についての実践的研究

札幌学院大学  札幌学院大学研究促進奨励金B  

担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

現在、大学における聴覚障がい学生に対する情報保障は、各大学が個別に支援者を養成して授業に配置するという形で行われている。しかしながら、聴覚障がい学生の入学者数は変動するため、それぞれの大学内で支援者を確保することは難しい状況にある。例えば、聴覚障がい学生数が急に増えると支援者の養成が間に合わず対応することが難しくなる。また、空き講を使って学生が支援に入ることから、大学の規模によっては支援者が得られないといった問題が起きる。その一方で、聴覚障がい学生が卒業して支援の仕事が途絶える大学もあり、支援者のスキルを継続的に生かすことができないという不均衡な現実がある。また、初めて支援者を一から養成するという問題を抱えて四苦八苦している大学もある。このような問題を解決するには、大学間で支援者を相互に活用する仕組み作りが必要である。新学期は熟練した支援者が卒業し、どの大学でも支援者不足に悩まされることから、卒業生や地域住民の協力を得ることも考える必要がある。また、支援者の養成講座なども共有できると各大学の負担を軽減することができる。すなわち、本研究の目的は、大学間および地域における情報保障支援者の相互活用の仕組みについて支援者養成や支援方法等も含めて実践的に検討し、実現可能な形態を追究することである。これが実現すれば大学間における情報保障支援の不均衡や支援者不足の問題も改善できると考えている。
具体的には、下記のように研究を進めていく。
1)道内の大学の情報保障支援者の確保と支援者養成についての情報収集(インタビュー)
2)地域の情報保障支援団体・サークルとの連携に関する情報収集(インタビュー)
3)他大学の学生(卒業生含む)あるいは地域住民から本研究への協力者を募り、支援者養成講座を開催
4)大学の授業の情報保障の試行実験(授業が難しい場合は、公開されている授業映像を使用)
5)試行実験結果の評価と課題の整理
6)大学における支援者の相互活用を可能にするための仕組みと実現に向けた考察
2017年度以降は本年度の試みをさらに広げ、実際に授業の情報保障を行えるような体制作りをめざす。
SGUFJ