2020年9月
【慢性便秘の考え方-治療目標と新規下剤の位置づけを含めて-】便秘の分類と病態生理
消化器内科
- ,
- 巻
- 2
- 号
- 9
- 開始ページ
- 19
- 終了ページ
- 26
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)医学出版
慢性便秘症の治療戦略を考慮するうえで、病因・病態に基づいたタイプ別に分類することが求められる。原発性慢性便秘症では、大腸通過時間の遅延の有無と便排出異常の有無によって「大腸通過遅延型」、「大腸通過正常型」、「便排出障害型」に病型分類できる。各種の大腸肛門機能検査によって大腸通過時間と直腸肛門排出機能を評価する。X線不透過マーカー法、シンチグラフィー法、無線内圧カプセル法などによって前者を、排便造影検査、肛門筋電図検査、直腸肛門内圧検査、直腸バルーン排出検査などによって後者を評価できる。一般の臨床現場においては、詳細な問診、理学的所見ならびに腹部単純X線所見などを手掛かりに、それぞれの患者の病態を十分推測可能である。便排出障害型に対する非薬物療法として、バイオフィードバック療法がある。医療者は、便秘症状を訴える患者の病態をよく理解したうえで、適切な治療選択にあたることを心がけたい。(著者抄録)
- ID情報
-
- 医中誌Web ID : 2020377624