2012年2月
転写因子slug は角膜上皮創傷治癒で発現し細胞形質を制御する
Invest Ophthalmol Vis Sci.
- 巻
- 53
- 号
- 2
- 開始ページ
- 751
- 終了ページ
- 756
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1167/iovs.11-8222
上皮間葉移行(EMT, epithelial-mesenchymal transition)が生体組織の創傷治癒に関連した現象であるとの報告は多いが、角膜上皮の創傷治癒との関連について検討した報告はあまりなく詳細は不明な点が多い。今回の報告では角膜創傷治癒過程においてEMT 誘導転写因子であるslugの発現を確認し、同因子が角膜上皮細胞に与える影響について検討を行った。In vivo実験にはマウス角膜創傷治癒モデルを用いた。<br />
実験の結果、角膜組織では上皮の創傷治癒過程でslug 分子の発現が基底層有意に確認された。snail,slug 強制発現株ではEMT の特徴の一つであるspindle-shaped な細胞形態学的変化およびcadherin switching が観察され、EMT が誘導されていると考えられた。また細胞増殖能の検討では強制発現株において細胞増殖能が抑制されていた。Realtime PCR 法では強制発現株でABCG2,TP63,KRT19 分子等のstemness マーカーの発現低下を認め、分化マーカーについてはCX43,Nestin の発現を増加させITGB4,ITGA2,Involucrin の発現は減少さ
実験の結果、角膜組織では上皮の創傷治癒過程でslug 分子の発現が基底層有意に確認された。snail,slug 強制発現株ではEMT の特徴の一つであるspindle-shaped な細胞形態学的変化およびcadherin switching が観察され、EMT が誘導されていると考えられた。また細胞増殖能の検討では強制発現株において細胞増殖能が抑制されていた。Realtime PCR 法では強制発現株でABCG2,TP63,KRT19 分子等のstemness マーカーの発現低下を認め、分化マーカーについてはCX43,Nestin の発現を増加させITGB4,ITGA2,Involucrin の発現は減少さ
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1167/iovs.11-8222
- ISSN : 0146-0404
- Web of Science ID : WOS:000302788600028