2019年9月
運動が高齢者の味覚閾値に及ぼす影響について
日本味と匂学会誌
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- 巻
- 号
- 第53回大会Proceeding集
- 開始ページ
- S15
- 終了ページ
- S18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本味と匂学会
味覚感受性に対する運動の効果を高齢者で確認するため、官能評価試験により運動前後の味覚閾値を測定し比較検討した。高齢者44名(平均73.9±0.7歳)を対象に、基本味の認知閾値と検知閾値を測定し、ストレッチ、筋肉トレーニング、脳トレーニングを実施した。運動直前・直後の閾値測定の結果、うま味の検知閾値が有意に低下し感受性が向上していた。甘味・塩味の検知閾値、甘味の認知閾値においても同様の傾向がみられた。個人に着目すると、甘味で感受性の低下は検知閾値、認知閾値ともに8倍以内にとどまっていたが、酸味では少数ではあるものの検知閾値で32倍、認知閾値で64倍に上昇していた人も存在し、他味質よりも上昇率が著しかった。また、塩味・うま味の検知閾値、甘味・うま味の認知閾値では、疲労感の変化が大きかった群の方が変化の小さかった群よりも感受性が上昇している傾向にあった。
- ID情報
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- ISSN : 1340-4806
- 医中誌Web ID : 2020208974