書籍等出版物

2018年5月

教育心理学(教職教養講座 第8巻)

  • 楠見 孝

担当区分
編者(編著者)
出版者・発行元
協同出版
総ページ数
269
担当ページ
記述言語
日本語
著書種別
学術書
DOI
ISBN
9784319003297

冒頭の「学力と汎用的能力の形成(1章)」では、児童や生徒が21世紀中盤の社会で活躍するには、どのような能力を育成すれば良いのか、本書『教育心理学』のイントロダクションとなるように、各章と関連づけて説明する。
本書の序盤(2章から5章)では教育心理学の土台となる最新の基礎研究について解説をする。「教育と遺伝(2章)」はで、心理学と遺伝学、神経科学の最新の成果を踏まえて、遺伝と環境が人の多様性などにどのように影響を及ぼすのかを解説する。個人差を踏まえた教育環境のデザインを考える土台となる内容である。つづく、「教育と個人差(3章))」では、パーソナリティの個人差が学業や職業の達成や創造性に及ぼす影響を、多くの追跡調査データに基づいて論じた上で、個人差を踏まえた教育的介入のありかたについて述べる。「記憶と知識( 4章)」では、認知心理学の知見に基づいて、知識の獲得と運用を支える記憶の仕組みについて解説する。「学習動機づけ(5章)」では、動機づけ研究の知見を解説した上で、学習者のやる気を高めるために、どのように教育実践に活用したら良いかを述べる。
中盤(6章から9章)では、学校教育に関わる新しいトピックを教育心理学の理論に基づいて解説する。「ICT・メディア活用(6章)」では、ICT・メディアの活用が学校現場でどのように拡大しているかを説明するとともに、その効果的な活用を心理学に基づいて説明する。「アクティブラーニング(7章)」では、その定義と新学習指導要領で重視される背景を解説した上で、大学教育から初等中等教育に、「深い学び」を重視する形でどのように広がったかを述べる。「教室内の相互作用(8章)」では、「深い学び」の手段として、教室における学習者と教師をめぐる対話を通した学びが重要であることを述べる。さらに、「探究的な学習・課題研究(9章)」では、その現状と今後、さらに、その学習活動を支える批判的思考とメタ認知について解説する。
終盤(10章から15章)では、学校教育における各教科「国語・読書教育(10章)」「社会科教育(11章)」「算数・数学教育(12章 )」「理科教育(13章)」「外国語教育(14章)」、そして「人権教育(15章)」における教育と学習について、実践例を取り上げながら、心理学の理論と知見に基づいて解説する。

ID情報
  • ISBN : 9784319003297