2013年8月17日
中学生における自律的動機づけと学習方略の循環 : 2時点のデータを用いた共分散構造分析による検討
日本教育心理学会第55回総会
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近年の社会環境の急激な変化に伴い、児童・生徒が自ら学び、生きていく力の育成が教育に求められている(文部科学省,2008)。「自ら学ぶ力」を育成する機運は国内外で興っており、教育心理学では自己調整学習の研究の中で扱われてきた(伊藤, 2009; Zimmerman & Schunk, 2001)。自己調整学習の成立には、メタ認知・動機づけ・学習方略に学習者が能動的に関与することが必要とされる。そのなかで、自己決定理論で論じられるように自律性や有能感のようなポジティブな自己概念を獲得することは、動機づけが外発的なものから内発的なものへと変わる内在化を促し、ひいては幸福感をもたらすものとして重要視される(Deci & Ryan, 2000)。本研究では中学生を中心にした2時点(Time 1と2)の調査データを分析し、1)学習方略が自己概念を通じて自律的動機づけを高めるプロセスを検討する。2)動機づけから方略への影響を含め、自律的動機づけ向上の経時的なプロセスも検討する。