共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

なつかしさ感情の機能と個人差:認知・神経基盤の解明と応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16H02837
体系的課題番号
JP16H02837
配分額
(総額)
15,990,000円
(直接経費)
12,300,000円
(間接経費)
3,690,000円

なつかしさの機能と個人差に関して、その認知的、神経科学的基盤を解明し、回想法等への応用に役立てるために、3班に分かれて研究を進めた。
認知心理学班では、なつかしさの機能と個人差の認知的基盤を検討した。主な成果として、第1に、市民対象の大規模調査を行い、なつかしさの機能(社会的つながり、時間的連続性、人生の意味、自己の明確性)が、加齢により上昇し、なつかしさポジティブ傾向、時間的展望、生活満足度と正相関することを明らかにした。第2に、高齢者のなつかしさ傾向と、なつかしい話を共有した際の相手やその時間についての印象について検討した結果、なつかしさ傾向が高い人ほど、ソーシャルサポートを感じる傾向があり、なつかしさ傾向が低い人とペアになった場合、その時間が苦痛になった。第3に、なつかしさ感情が商品評価や購買意図に与える影響を検討し、なつかしさ喚起群は定番商品の未来の購買意図を高めた一方で、新奇性喚起群は新商品の現在の購買意図を低下させた。
神経科学班では、なつかしさの機能の個人差の神経基盤を解明する基礎研究を行った。第1に、なつかしさ傾向と、時空間物語読解との関係を検討した結果、なつかしさ傾向の高い人ほど、物語理解の時空間課題成績が高く、メンタルタイムトラベルが得意であった。また、自伝的記憶想起ができるほど、時空間情報を含んだ物語理解成績が高かった。第2に、なつかしさ喚起写真と中性写真を用いたfMRI課題、なつかしさ喚起時との脳神経活動の差異を検討するために、快-不快喚起fMRI課題も作成し、健常者を対象にfMRI データを収集した。その上でなつかしさの個人差に関係する神経基盤を同定するべく、解析を進めた。
精神医学班では、髄液バイオマーカーで診断した軽症アルツハイマー病症例の臨床データを蓄積し、回想法の効果に影響する要因と神経基盤を解明するために、実験課題の策定を進めた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16H02837/16H02837seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H02837
ID情報
  • 課題番号 : 16H02837
  • 体系的課題番号 : JP16H02837

この研究課題の成果一覧

論文

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MISC

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