共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

作用素環論における群作用のK理論的側面からの研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 松井 宏樹

課題番号
18K03321
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

作用素環への群作用の分類は作用素環論における最も重要な研究課題の一つである。フォンノイマン環への離散従順群の作用については、満足できる最終的な結果が既に前世紀に得られている。しかしC*環の場合には、様々な困難さのため未だ発展途上の段階にある。泉正己氏(京都大学)との共同研究によって、poly-Z群のKirchberg環への外部的な作用の完全分類に成功した。Kirchberg環は、K理論による分類が可能なC*環のなかでも、とりわけ性質の良いC*環のクラスである。poly-Z群とは、整数群Zによる有限回の半直積で記述できる群のことをいい、有限生成自由アーベル群や離散ハイゼンベルグ群を含んでいる。C*環と群の双方に対して強い仮定を課しているように見えるが、これまでの先行研究はすべて特定のC*環あるいは特定の群に限った研究であり、Kirchberg環やpoly-Z群といった広い枠組みで作用の分類が得られたのは初めてである。作用の分類は何らかの不変量によるものではなく、poly-Z群の分類空間からKirchberg環の自己同型群の分類空間への写像のホモトピー同値類との対応によって、分類が与えられる。今年度は研究成果をまとめた論文を2本発表した。1つ目の論文では、Kirchberg環の自己同型群とあるユニタリー群とが弱ホモトピー同値になることを示した。2つ目の論文では、poly-Z群の作用に関するコサイクル消滅定理や、2つの作用がコサイクル共役になるための必要十分条件を、定式化した。poly-Z群の作用の分類定理は、現在準備中の3つ目の論文で完成させる計画である。