2022年11月19日
イチモンジタナゴにおける種内地域系統を高感度に検出する環境DNA検出系の開発
環境DNA学会オンラインワークショップ「あなたが主役のワークショップ」
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- 開催年月日
- 2022年11月19日
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- ポスター発表
- 主催者
- 一般社団法人 環境DNA学会
- 開催地
- オンライン
- 国・地域
- 日本
イチモンジタナゴAcheilognathus cyanostigma は、コイ科タナゴ亜科⿂類に属する純淡⽔⿂類であり、⽇本列島の東海地⽅から近畿・⼭陽地⽅にかけて⾃然分布する⽇本固有種である。近年、各地で個体数が激減しており環境省版レッドリストで絶滅危惧IA類に選定されている。イチモンジタナゴは、ミトコンドリアDNAの解析により、琵琶湖・淀川⽔系周辺(Clade 1)、加古川・由良川⽔系(Clade 2)(以上を近畿系統と呼称)、東海地⽅(Clade 3:東海系統と呼称)の各地域に遺伝的に分化していると考えられている。⼀⽅で、イチモンジタナゴは東海、九州、北陸、⼭陽地⽅などに移植されており、地域によっては国内外来種としても認識されている。特に東海地⽅のイチモンジタナゴは、近畿産の移植により撹乱または置換がすすんでいると考えられており、東海地⽅在来集団の絶滅が危ぶまれている。イチモンジタナゴの種内地域系統の外⾒による識別は⾮常に困難であることから、その侵⼊確認には相当な個体数のDNA分析が必要である。そのため、環境DNAで種内地域系統レベルの遺伝的分化の識別可能な検出系が開発できれば、在来集団内に侵⼊した外来集団の早期発⾒に貢献できることが期待される。本研究では、イチモンジタナゴの東海・近畿系統を識別できる新たな環境DNA分析系を開発し、この検出系を⽤いてそれぞれの系統の正確な検出が可能であるかを検討した。イチモンジタナゴの種特異的なプライマーを開発し、プローブで両系統の⼀塩基多型(SNP)をジェノタイピングすることで、両系統の判別を試みた。本発表では、検出系の検出感度と、実際の採⽔調査の分析結果について紹介する。(P14)
- リンク情報
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- 共同研究・競争的資金等の研究課題
- タナゴ亜科魚類の種多様化を駆動する繁殖ニッチ分化の進化遺伝機構