2017年9月5日
湾岸諸国へのインド人労働者送出システムーRecruiting Agentsに着目してー
2017年度HINDAS第3回研究集会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 主催者
- 広島大学現代インド研究センター
- 開催地
- 広島大学(広島県)
インドから毎年湾岸諸国に約150万人の労働者が新規に送出されている。このような大規模な労働者移動は,何らかのシステムを抜きには成り立ち難い。本研究はこの点に焦点を当てたものであり,労働者送出にかかわる制度的枠組みを抑えた上で,その中心的なアクターの1つであるRecruiting Agents に着目して,送出システムの実際を明らかにすることを目的とする。インドでは労働を目的とする移民に関しては,1983年制定のEmigration Actによって制度的な骨格が定められている。そこにおいて,労働者送出に介在できるRecruiting Agentsは移民保護官(Protector of Emigrants)から認可されたものに限られるとされている。調査時点ではインド全体で1,213業者が認可登録されているが,その半数以上はムンバイに立地しており,これにデリーが続いている。ただし,湾岸諸国に移動する労働者の出身地の主体はUP州やビハール州であり,Recruiting Agentsの立地とは対応しておらず,両者を結ぶ媒介項が必要