講演・口頭発表等

2017年8月9日

サ変動詞を形成するV1+V2型複合動詞―対応する複合動詞の有無に基づく違いを探る―

第15回日本語教育研究集会
  • 鈴木智美

開催年月日
2017年8月9日 - 2017年8月9日
記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
主催者
名古屋大学大学院国際言語文化研究科
開催地
名古屋大学大学院国際言語文化研究科

一般に、漢語動名詞(「勉強」「結婚」等)については、辞書に「名詞」・「サ変動詞」という2 つの品詞情報が併記され、名詞「勉強」に対し「勉強する」というサ変動詞化が可能であることが明示されている。一方、「盗み見」「やり直し」「言い逃れ」「居眠り」「立ち読み」などのV1+V2型複合名詞については、サ変動詞化が可能か否かの情報は、辞書等において必ずしも網羅的に示されていない。ここでは、対応する動詞形の有無(「盗み見」には「盗み見る」が対応するが、「立ち読み」に対応する「*立ち読む」はない)という観点から、サ変動詞化の可否についての手がかりが存在するか否かを探った。本発表における観察からは、サ変動詞化の可否については、対応する動詞形の有無より、むしろ使用頻度などの慣習性に基づく違いがあるのではないかと予想されることがわかった。対象語の範囲を広げ、網羅的な調査を行うことを次段階の課題とする。

リンク情報
URL
https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/menu7_folder/symposium/15.html