2019年4月 - 2022年3月
IgA腎症の糸球体沈着性糖鎖異常IgA1の同定と迅速診断法の臨床応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
IgA腎症(IgAN; IgA nephropathy)は,わが国に高頻度に認める慢性糸球体腎炎で,20年の経過で約40%が末期腎不全に陥る。IgAN患者では,血中に糖鎖異常IgA1(Gd-IgA1; Gal-deficient-IgA1)が増加し,このGd-IgA1を中心とした免疫複合体が糸球体に沈着し腎炎を生じる。Gd-IgA1を検出するモノクローナル抗体(Gd-IgA1 mAb)によってGd-IgA1の糸球体沈着はIgANに特異的に認めることが明らかとなり,Gd-IgA1は病因に深く関与すると考えられる。そのため糸球体沈着性Gd-IgA1の正確な糖鎖構造解析は病因解明やバイオマーカー開発に不可欠である。本研究では,Gd-IgA1の役割の解明とバイオマーカー応用を目指し,①IgAN患者の沈着IgA1の糖鎖構造を同定(糸球体沈着性Gd-IgA1の構造同定),②前向きに採取した臨床検体を用いてGd-IgA1の臨床的意義を検討,③POCT (Point Of Care Testing) 試薬によるGd-IgA1検出を単独バイオマーカーとして開発する。2019年度は,血中IgA1ヒンジ部糖鎖の定量的プロファイリングと糖鎖修飾部位の定量的評価法を開発し論文報告した(Sci Rep 10, 671, 2020)。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K08691
- 体系的課題番号 : JP19K08691