共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

熱伝導率測定法の開発と機能材料科学による高機能タンパク質素材開発の展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03757
体系的課題番号
JP18H03757
配分額
(総額)
44,980,000円
(直接経費)
34,600,000円
(間接経費)
10,380,000円

初年度は,①DNA固体膜の測定に向けたセンサの設計と予備実験,および②測定の妥当性を検証するためのポリスチレンを試料とした実験,を順次行った.
①では,まず,DNA固体膜フィルム試料の作製を行った.シリコンウエハ上に塗布した3%DNA水溶液を乾燥させる操作を10回以上繰り返して厚さ0.5mmの膜を作製した後,それを幅0.4mm程度に切って成形し,最終的には真空乾燥した.次に,センサの設計製作を行った.DNA固体膜の熱コンダクタンスを想定して選定した直径50ミクロンのチタン細線を,約9mm間隔で設けられた銅ブロック電極にハンダ付けしてセンサとした.そして,細線中央の両側にそれぞれ約1mm離れて設けたヒートシンク用銅製ブロックに試料を固定するとともに,試料中央部は細線と熱伝導グリスで固定した.測定は,試料がセンサに交差して両端がヒートシンクに接している状態(X型),一方のヒートシンクを除去して試料の片方のみがヒートシンクに接している状態(T型),および試料を取り外してセンサだけになった状態(I型)の三通りの状態で行った.センサを通電加熱してそれぞれの場合のセンサの平均温度上昇を求め,それらの違いから試料とセンサの熱伝導率を求めた.その結果,DNA固体膜の熱伝導率の測定値は,0.3~0.4 W/(m・K)であった.
②DNA固体膜と同様に,ポリスチレン粉末から作製したポリスチレン固体膜の測定を行った.この場合,センサには直径100ミクロンの白金細線を用いた.ポリスチレン膜の熱伝導率の測定値はほぼ1 W/(m・K)であった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03757
ID情報
  • 課題番号 : 18H03757
  • 体系的課題番号 : JP18H03757