MISC

2016年

手取川流域における積雪分布の季節変化の推定

水文・水資源学会研究発表会要旨集
  • 佐藤 嘉展
  • ,
  • 佐藤 貴弘
  • ,
  • 高瀬 恵次
  • ,
  • 藤原 洋一

29
0
開始ページ
81
終了ページ
81
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11520/jshwr.29.0_81
出版者・発行元
水文・水資源学会

日本有数の多雪山岳流域である北陸地方の石川県手取川中島地点における1980年から2009年までの月別の観測流量は,1~2月に増加傾向が見られる一方,4~6月に減少傾向が見られる。これは,冬季の降水が降雪から降雨へと変化し,降雪・積雪量の減少から春先の融雪量が減少傾向にあることを意味している.さらに,今後温暖化が進行すると,降雪・融雪量の減少がさらに顕著となり,流域内の積雪水資源量や河川の流況も大きく変化する可能性が指摘されている.手取川流域のような多雪地域では,春先の融雪出水を利用した灌漑農業が盛んに行われており,融雪期の河川流量の変化は,地域の農業水利用に大きな影響を及ぼすと考えられ,また,その水源となる上流域のダムへの流入量の変化も,その下流域での安定した水利用や水力発電等にも大きな影響を与えると考えられる.しかし,多雪山岳流域における積雪量の実態把握は難しく,特に標高の高い上流域における積雪量に関する現地観測情報はほとんど得られていないのが現状であり,比較的に標高の低い限られた気象観測地点のデータを基に,流域全体の気温や降水量等の空間分布を推定している事例が多い.そのため,それらの情報を用いた分布型水文モデル等による積雪・融雪量や河川流量の再現性も,他の非降雪地域の流域と比較すると悪くなり,温暖化に伴う河川流量変動の予測結果の信頼性も低くなってしまうことが懸念される。そこで,本研究では,手取川流域における積雪分布の実態を把握するために,流域内の標高の異なる複数地点で積雪深の現地観測を実施し,各地点における分布型水文モデルで推定した積雪量との比較結果を基に,流域周辺の限られた気象データのみから流域全体の積雪量分布の実態に近い値を推定する方法を提案し,その適用結果について報告する.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11520/jshwr.29.0_81
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005176228
ID情報
  • DOI : 10.11520/jshwr.29.0_81
  • CiNii Articles ID : 130005176228
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000345211648

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