共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

日本中近世寺社<記録>論の構築―日本の日記文化の多様性の探究とその研究資源化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03583
配分額
(総額)
27,690,000円
(直接経費)
21,300,000円
(間接経費)
6,390,000円

全体に関わるシステム開発として、東京大学史料編纂所のユニオンカタログデータベース・古記録フルテキストデータベースの改修を実施した。古記録FTでは本科研の成果をフルテキストデータベース上でも発信可能とした点に意味がある。醍醐寺・仁和寺・春日大社・東大寺で原本撮影と原本調査を実施した。撮影分については史料編纂所閲覧室での利用を可能とする予定である。各班では特任研究員・研究支援専門職員などを雇用して下記の活動を行った。
醍醐寺班:醍醐寺許可の上、醍醐寺史料データベースでの検索・調査によって大元帥法関連記録の絞り込み作業を行った。所在する整理単位を見極めた。これにより記録本体のみならず記録の基となる文書を視野に収めた分析が可能となった。
東大寺班:メンバーが過去に作成したものも含め52点の記録の翻刻を果たした。平行して分析作業を行い、薬師院史料中の記録の特徴、未解明であった出世後見という役職の性格を明らかにしつつある。法華堂関係については、検討が不十分であった法華堂関係記録の存在を確認した。この他、史料編纂所閲覧室で公開するHi-CAT Plusデータベース登録の東大寺100件のデータ整理を実施した。
東寺班:過去に作成された東寺執行日記の下原稿の確認作業を完了した。今後のスケジュールがほぼ確定した。東寺役職関係一覧データ(富田正弘富山大学名誉教授作成)をWEB上で発信する目途が立った。
春日班:鎌倉後期・室町中期の神職記録3点、補任記1点の翻刻をした。補任記は研究上のツールとして極めて有用である。春日大社外に存在する記録の抽出作業も進め、関係記録の編年一覧を作成する基礎を築きつつある。
仁和寺班:Hi-CAT Plusデータベース登録の仁和寺史料205件のデータ整理を実施した。これにより今後の研究利用の可能性を広げた。

ID情報
  • 課題番号 : 18H03583

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  1
  • 川本慎自
    東京大学史料編纂所研究成果報告2022-8 日本中近世寺社〈記録〉論の構築 日本の日記文化の多様性の探究とその研究資源化 221-246 2023年3月  

書籍等出版物

  1
  • 東寺文書研究会, 大田壮一郎, 遠藤基郎, 高橋敏子 (担当:共著)
    思文閣出版 2022年2月 (ISBN: 9784784220175)

講演・口頭発表等

  2
  • 菊地大樹
    「日本中近世寺社〈記録〉論の構築ー日本の日記文化の多様性の探求とその研究資源化ー」研究会 2021年7月
  • 川本慎自
    オンライン公開研究会「中世寺社記録からの探究」 2021年3月13日 科学研究費・基盤研究A「日本中近世寺社〈記録〉論の構築―日本の日記文化の多様性の探究とその研究資源化」