共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年7月 - 2019年3月

顕微光電子ホログラフィーによる活性サイトの時間分解3D原子イメージング

科学研究費補助金  新学術領域研究(研究領域提案型)  

担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
143,780,000円
(直接経費)
110,600,000円
(間接経費)
33,180,000円
資金種別
競争的資金

本年度は計画班内の試料班、応用班、さらには公募班で採用された方々に、実際に光電子ホログラフィー実験を実施することで、それぞれの研究テーマの進捗をはかり、ビームタイムが実施されなかった研究グループとも、今後の具体的な実施に向けての計画立案を行った。
応用班筒井Gとは、半導体Si中のAsサイトの研究が進捗したほか、東工大若林G、奈良武田Gとともに、MoS2薄膜の光電子分光による評価を進めている。
木下、大門、松井は、本領域の国際支援班にも加わっており、スウェーデンの放射光源MAX IVとの連携を進める打ち合わせを行っている。今後領域の研究者が積極的に共同研究などの交流を進め、SPring-8におけるビームタイムの不足分の研究も進行することを期待している。また、松井はスイスのSwiss Light Source(SLS)での実験により、領域研究を進めている。

新たな高分解能二次元光電子分析器として開発してきた阻止電位型光電子分析器においては、ワイヤーメッシュを用いた球面グリッドによりE/ΔE=1,000の分解能を確認した。例えば、価数の違いに起因するような比較的大きな化学シフトであれば、化学シフトを分離した光電子ホログラム測定が可能なレベルとなっている。現在、主に表面吸着系をターゲットとした装置整備を進めている。また、回転楕円面メッシュ二次元表示型光電子分光装置(DELMA)の開発をすすめ、SPring-8内の複数ビームラインでの利用が可能となった。昨年課題としたオフライン測定の環境整備もすすみ、時間分解測定の準備も整った。追加予算の配分を活用し、試料導入槽および試料バンク槽の改造を行い、嫌気性試料の取り扱いのために用意した真空槽接続グローブボックスの使い勝手の向上を達成した。