MISC

2016年6月

単一症候性夜尿症におけるスクリーニング検査としての尿流量測定の有用性について

夜尿症研究
  • 山下 純英
  • ,
  • 羽田 敦子
  • ,
  • 山口 かおり
  • ,
  • 村岡 愛子
  • ,
  • 島本 真弓

21
開始ページ
43
終了ページ
47
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本夜尿症学会

諸言:尿流量測定は簡易で非侵襲的な下部尿路機能検査である。小児夜尿症における尿流量測定の有用性についての報告は限られており、一定の見解が得られていない。今回我々は単一症候性夜尿症(MNE)における尿流量測定について検討した。対象・方法:2012年7月より2013年9月に当院夜尿症専門外来を受診したMNE74例を対象とし、診療録をもとに後方視的に検討した。全例において初診時に尿流量測定を実施した。治療はアラーム療法かデスモプレシン製剤を選択した。夜尿頻度が50%以上減少したものを治療有効と判定した。尿流曲線パターン正常群および異常群の治療開始後3、6ヵ月の治療有効率について検討した。結果:尿流曲線の解析では異常パターンが15例(20.3%)に認められ、Tower型が大半を占めていた。尿量は期待膀胱容量の平均53.8%であった。治療開始後3ヵ月の治療有効率は、正常群49.2%、異常群46.7%、治療開始後6ヵ月では、正常群78.0%、異常群66.7%であり、統計学的有意差は認められなかった(p=0.30、0.14)。考察:過活動膀胱を示唆するTower型が比較的多いことが判明した。尿量が少なく畜尿が不十分であった可能性が考えられた。尿流曲線が異常パターンであっても、治療のアウトカムに差異は認めなかった。結論:MNE患者の初期の治療選択に尿流量検査結果は影響しないと考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1342-1735
  • 医中誌Web ID : 2016323040

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