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1998年11月25日

家鴨類骨格筋の発達と組織化学的特性に及ぼす水田放飼の影響と品種差

日本家禽学会誌
  • 尾野 喜孝
  • ,
  • 後藤 貴文
  • ,
  • 那須 亮
  • ,
  • 岩元 久雄
  • ,
  • 高山 耕二
  • ,
  • 中西 良孝
  • ,
  • 萬田 正治

35
6
開始ページ
367
終了ページ
375
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.2141/jpsa.35.367
出版者・発行元
日本万国家禽学会

合鴨水田農法に適した家鴨類の選定のための基礎研究の一環として,国内種,IR種および中国種の胸筋と外側腸脛骨筋の発達と筋線維の特性について放飼区と舎飼区との間および品種間での比較検討を行った.放飼区は,4aの水田に,田植え1週間後に12日齢の雛を雌雄3羽ずつ72日間放飼した後,63日間配合飼料で舎飼いした.舎飼区は,面積1.9aの建物内で,それぞれの品種の雌雄3羽ずつを配合飼料で飼育した.屠殺は21週齢時に行った.得られた結果を以下に示す.<br>1.体重および胸筋と外側腸脛骨筋重量は,いずれの品種も放飼区と舎飼区の間では差がなかったが,品種差を示し,体重は中国種で最も大きく,IR種がこれに続き,国内種が最小であった.胸筋の発達は国内種で最も優れ,外側腸脛骨筋はIR種で優れていた.<br>2.胸筋と外側腸脛骨筋を構成する筋線維はすべて速筋線維であるII型に分類され,それらはさらに酸化的酵素活性の高いII A型と低いII B型に細分された.胸筋は約70%のII A型と30%のII B型で構成され,外側腸脛骨筋は約40%のII A型と60%のII B型で構成されていた.中国種の舎飼区は放飼区に比較し,外側腸脛骨筋の各型筋線維の構成割合において,II A型で多く,II B型で少なかった.品種間で比較した場合,胸筋では国内種でII A型が多く,II B型が少なかった.一方,外側腸脛骨筋ではIR種でII A型が多く,II B型が少なかった.<br>3.筋線維直径は両筋肉ともII B型でII A型より大きかった.品種間では,胸筋のII B型が国内種とIR種で大きく,外側腸脛骨筋ではII A型およびII B型ともIR種と中国種で大きかった.<br>4.これらの結果から,家鴨類にとって放飼と舎飼いの飼養形態の違いによる筋肉発達への影響は小さいことが示唆されるとともに,国内種は飛翔能力に,IR種は陸上での走歩行に,また中国種は産肉性ですぐれる特徴のあることが推察された.

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DOI
https://doi.org/10.2141/jpsa.35.367
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10012401792
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00186755
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/4614769
URL
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010582057 本文へのリンクあり
ID情報
  • DOI : 10.2141/jpsa.35.367
  • ISSN : 0029-0254
  • CiNii Articles ID : 10012401792
  • CiNii Books ID : AN00186755

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