論文

査読有り 筆頭著者
2017年6月

療養病床においてがんを併せもつ高齢認知症患者への看護 入院可否判断、ケア状況、ケア困難度に焦点を当てて

死の臨床
  • 井出 訓
  • ,
  • 川村 三希子
  • ,
  • 竹生 礼子
  • ,
  • 西村 歌織

40
1
開始ページ
179
終了ページ
184
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本死の臨床研究会

2015年の癌統計予測によると日本国内の癌罹患者数は98万人で、男女ともおおよそ60歳代から増加し、高齢になるほど高くなることから、高齢者が癌を患いながら療養を続けている現状をうかがい知ることができる。また、介護を要する認知症高齢者数は2012年現在で305万人と推計されており、65歳以上の約10人に1人が介護を要する認知症高齢者であると報告される。癌を患う人の高齢化に伴い、癌と認知症を併せもつ人の数も増加傾向にあることがわかる。認知症の人が多く生活をしている療養病床に焦点を当て、認知症と癌を併せもつ高齢患者に対する入院の受け入れや療養病床でのケアに関する困難感と対処方法の実態を調査した。療養病床を有する施設の看護師13名を対象に半構造的インタビューを実施しケア困難度項目15を抽出した。認知症と癌を併せもつ高齢患者の入院状況やケアに関する自記式質問紙の郵送によりアンケートを行った。回収された293通を分析したところ、「癌の診断があることにより、入院の受け容れの可否を判断すること」があるかに対し「ある」と回答したものは96人(32.7%)、「ない」は169人(57.7%)であった。癌の診断により入院可否の判断をすることがあるという施設では、実際に入院を断った経験が有意に高く、また、癌の診断がある患者の入院に関して明文化された基準を持っている施設でも、入院を断ったことのある経験が有意に高いことが明らかになった。また、看護管理上どのような状況に困難を感じているのか、値が最も高かった項目は「転倒・転落」(4.26±.89)であり次いで「意思疎通が図れない」(4.00±.9.2)という結果であった。困難を感じる状況に対する対処法では、「転倒・転落」では「ベッド柵の設置」が最も多く、「意思疎通が図れない」への対処として「家族とコミュニケーションをはかる」「観察を行う」が最も多かった。

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ID情報
  • ISSN : 0912-4292
  • 医中誌Web ID : 2017354412

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