2006年 - 2007年
超伝導検出器を用いた新しい中性子ベータ崩壊測定手法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 若手研究(A)
- 課題番号
- 18684011
- 体系的課題番号
- JP18684011
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 13,390,000円
- (直接経費)
- 10,300,000円
- (間接経費)
- 3,090,000円
- 資金種別
- 競争的資金
中性子β崩壊からの反跳陽子検出のための超伝導トンネル接合素子(STJ)の開発を推し進めた。統計を稼ぐため、実験には大面積のSTJが必要である。平成19年度は多チャンネルSTJアレイの読み出しシステムの開発を行った。中性子β崩壊からのイベントを識別するにはシグナルの時間による識別が必要である。そこで時間分解能を持つADCを用い、基板からのフォノンイベント等の同原因の信号のイベント識別を可能にした。また、実験に際しては、STJの陽子に対する応答を正確に抑える必要がある。そのために数keVの陽子を実際にSTJに照射することにより、STJの応答を確認できるシステムの開発を行った。
本研究では日本原子力研究機構JRR3において、テスト実験を行ってきたが、ビームラインの構造によるバックグラウンドや実験スペースの点で問題があり、その根本的な解決は難しかった。そこで、新たにJPARCに建設することが決定した基礎物理ビームラインに低バックグラウンド実験が可能な実験環境を作成することとし、その設計を行った。ビームラインの設計に関しては、可能な限り上流で中性子を整形することにより低バックグラウンドを実現できる設計にした。また、本ビームラインでは偏極ミラーを用いているため97%(計算値)という高い偏極度が得られ、JRR3では不可能であった偏極実験が可能になる。今後の研究の展開として、本研究で開発したSTJ素子をJ-PARCビームラインに導入し、β崩壊測定を行うことを検討している。
本研究では日本原子力研究機構JRR3において、テスト実験を行ってきたが、ビームラインの構造によるバックグラウンドや実験スペースの点で問題があり、その根本的な解決は難しかった。そこで、新たにJPARCに建設することが決定した基礎物理ビームラインに低バックグラウンド実験が可能な実験環境を作成することとし、その設計を行った。ビームラインの設計に関しては、可能な限り上流で中性子を整形することにより低バックグラウンドを実現できる設計にした。また、本ビームラインでは偏極ミラーを用いているため97%(計算値)という高い偏極度が得られ、JRR3では不可能であった偏極実験が可能になる。今後の研究の展開として、本研究で開発したSTJ素子をJ-PARCビームラインに導入し、β崩壊測定を行うことを検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 18684011
- 体系的課題番号 : JP18684011