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2018年6月

【自然免疫の最前線】自然免疫系受容体の機能と構造 細胞内核酸認識受容体の応答機構 細胞内の核酸認識センサー

医学のあゆみ
  • 押海 裕之

265
13
開始ページ
1079
終了ページ
1084
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医歯薬出版(株)

ウイルスが宿主細胞内に侵入すると、細胞質内にウイルス由来の核酸が現れる。自然免疫はこの細胞質内の核酸を認識し、I型インターフェロンやIL-6などの炎症性サイトカイン産生を誘導する。ウイルス由来のRNAは宿主のRNAと異なり二重鎖RNA領域を形成するために、病原体関連分子パターンとしてパターン認識受容体のRIG-I様受容体により認識される。このRIG-I様受容体の活性化は厳密に制御されており、その異常な活性化は全身性エリテマトーデス様の自己免疫疾患の発症につながることが動物実験などから明らかとなっている。そのため、RIG-I様受容体には翻訳後修飾を担うユビキチンリガーゼやリン酸化酵素、脱リン酸化酵素など多くの制御因子が関与する。また、RIG-I様受容体の結合を助けるセンチネルとしての役割を果たす分子も複数存在する。一方で、ヘルペスウイルスなどのDNAウイルスのゲノムは、細胞質に存在するとcGASやAIM2分子に認識され、自然免疫応答が誘導される。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0039-2359
  • 医中誌Web ID : 2018226683

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