2012年
中国での産業集積の形成における新展開
同志社大学人文科学研究所『社会科学』
- 巻
- 第42巻
- 号
- 第2・3号
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.14988/pa.2017.0000012904
- 出版者・発行元
- 同志社大学
中国浙江省の山間部盆地に位置する貧しい農業地域であった義烏市は近年,卸売業を中核とした商業の発展および雑貨製造産業の集積を中心として大きく発展した。この経済発展は義烏モデルと称されるように,内外で大きな注目を集めている。本稿は,義烏市の経済発展の背景について産業集積論の立場から検討するものであり,次の2点が経済発展に大きく寄与したことを見出した。第1に,義烏モデルの特色は,もともと商業の伝統があった,交通ネットワークの要衝や貿易港にも近接している,といった同市に独特の要因を背景とするものである。その意味で,単純に他の農業地域の模範とすることは困難といえよう。第2に,義烏市での経済発展は市場での競争と規律づけを重視した結果であり,行政当局は市場のインフラ整備に終始のうえ卸売業 の発展を側面から支えてきた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14988/pa.2017.0000012904
- ISSN : 0419-6759
- CiNii Articles ID : 110009493566
- CiNii Books ID : AN00108933