共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2007年

放射光粉末構造解析による光励起状態の構造決定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
15104005
体系的課題番号
JP15104005
配分額
(総額)
114,270,000円
(直接経費)
87,900,000円
(間接経費)
26,370,000円

本研究の目的は、時間分解分光等により遷移金属錯体の光誘起現象を探索するとともに、第三世代放射光X線を利用して、構造物性の立場から遷移金属錯体の光誘起現象を明らかにすることである。そのために、偏向電磁石ビームラインでは光照射下での構造解析を行い、アンジュレータービームラインでは時間分解X線回折装置を建設した。主要な研究成果を以下に列挙する。
(1) [Fe(ptz)_6](BF_4)_2において、動的平衡状態(光励起と熱緩和が釣り合った定常状態)の一次相転移を発見した。さらに、この動的相転移の時間発展を詳細に解析し、光誘起された高スピンサイトの化学圧力が重要な役割を担っていることを明らかにした。
(2) [Fe(phen)_2](NCS)_2において、オン/オフスイッチの実現した。さらに、それぞれの状態の電子レベルでの構造解析に成功した。
(3) 層状反強磁性体LaMnO_3にスピン系の光応答を調べ、臨界緩和現象の消失を確認した。
(4) BL40XUビームラインに時間分解X線回折装置を建設した。
(5) RbMn[Fe(CN)_6]の電子レベルの構造解析に成功した。さらに、静電ポテンシャル法により価数状態を明らかにした。
(6) 価数制御されたCo-Feシアノ架橋金属錯体膜を作成し、電子相図を完成した。
(7) フェムト秒時間分解分光により、CT状態の寿命増大効果を発見した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15104005
ID情報
  • 課題番号 : 15104005
  • 体系的課題番号 : JP15104005