2021年4月 - 2024年3月
プランベン -創製と機能開拓-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
最終目的であるプランベンの幾何構造や電子物性の解明に向けて、Al(111)表面上のゲルマネンの創製および幾何構造や電子構造の解明を行なった。
Al(111)表面上のゲルマネンは、Ge(111)基板上に100nmのAl(111)薄膜を作製し、超高真空中下で加熱することでGe原子を表面偏析させて創製した。先行研究では、Al(111)表面上のゲルマネンは、真空蒸着法により作製できることが報告されていたが、本研究では、表面偏析法においてもゲルマネンが生成できることを明らかにした。
詳細は以下の通りである。走査型トンネル顕微鏡(STM)による原子スケールその場観察と低速電子回折やオージェ電子分光法を組み合わせて、先行研究と同様の構造が形成されていることを明らかにした。あいちシンクロトロンにて、Ge 3dやAl 2pからの内核準位由来の光電子エネルギーの高分解スペクトル(PES)を測定し、また、角度分解光電子分光(ARPES)によりのフェルミエネルギー近傍における電子構造のエネルギー運動量分散曲線を測定した。密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算により、全ネルギー計算から幾何構造を明らかにし、STMシミュレーション像や高分解能PESにおける成分数や成分比と比較した。電子構造についてもDFT計算を行い、ARPESによる実験結果と比較考察をした。電子の局在関数の可視化も行い、ゲルマネンと第1層のAl(111)表面の間に一部の電子は局在していることから、ゲルマネンとAl(111)表面との相互作用がそれなりに強いことが明らかとなった。
Al(111)表面上のゲルマネンは、Ge(111)基板上に100nmのAl(111)薄膜を作製し、超高真空中下で加熱することでGe原子を表面偏析させて創製した。先行研究では、Al(111)表面上のゲルマネンは、真空蒸着法により作製できることが報告されていたが、本研究では、表面偏析法においてもゲルマネンが生成できることを明らかにした。
詳細は以下の通りである。走査型トンネル顕微鏡(STM)による原子スケールその場観察と低速電子回折やオージェ電子分光法を組み合わせて、先行研究と同様の構造が形成されていることを明らかにした。あいちシンクロトロンにて、Ge 3dやAl 2pからの内核準位由来の光電子エネルギーの高分解スペクトル(PES)を測定し、また、角度分解光電子分光(ARPES)によりのフェルミエネルギー近傍における電子構造のエネルギー運動量分散曲線を測定した。密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算により、全ネルギー計算から幾何構造を明らかにし、STMシミュレーション像や高分解能PESにおける成分数や成分比と比較した。電子構造についてもDFT計算を行い、ARPESによる実験結果と比較考察をした。電子の局在関数の可視化も行い、ゲルマネンと第1層のAl(111)表面の間に一部の電子は局在していることから、ゲルマネンとAl(111)表面との相互作用がそれなりに強いことが明らかとなった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 21K04879
- 体系的課題番号 : JP21K04879