共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2017年3月

ベンチレータ型絞りによる逆空間選択的位相干渉スピンナノスコピーの試み

日本学術振興会  科学研究費助成事業  萌芽研究

担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

本研究の目的は,磁性材料を通過した高エネルギー電子の回折面上の特定領域における位相干渉効果(電子磁気円二色性:EMCD)を利用して,実材料への応用を意識した軌道/スピン角運動量の定量的高空間分解能分布像を得るための試みである.特に従来のEMCD測定と異なり,強く絞った収束電子を使用することにより,既に確立している円偏光放射光によるXMCDと同等のS/N比を実現し,測定時間も一桁以上短縮されることが期待される.元素戦略の一つの柱である希土類フリー磁石開発には微細構造制御がその鍵となっているが,磁性発現の基礎的理解のためには結晶粒界,微小析出物などにおけるナノ領域での磁気物性測定実用化が不可欠である.本研究はこの目標に直につながる簡便かつ効果的な測定法を世界に先駆けて提案したい.