2014年9月
組織における物理的環境についての社会学的アプローチ――空間、風景、アーティファクト
明治大学教養論集
- 巻
- 号
- 501
- 開始ページ
- 47
- 終了ページ
- 65
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 明治大学教養論集刊行会
近年、ヨーロッパの組織研究において、組織の空間および風景、もしくはそれを構成するアーティファクト(人工物)といったものに着目する研究が盛んになっている。ところが、既存の研究においては、これらの対象はほとんど無視されてきたか、その存在の重要性を軽視する傾向があった。<br />
例えば、空間については、我々はその存在を自明視してきた。ハードで物理的な組織空間で発生するソフトで暗黙的な組織文化を研究することが、その組織現象の理解には十分であるとして、組織空間の分析を回避してきたのである。<br />
また、空間を分析する際に、考慮しなければならないものとして、風景(landscape)や音景(soundscape)などがある。組織空間に配置されたメンバーは、その建物や通路、衝立、窓などによって、その風景を決定される。加えて、そこではコミュニケーションについても既定の通路を辿らされることにより、影響を受けざるを得ない。組織内部のメンバーは、その風
例えば、空間については、我々はその存在を自明視してきた。ハードで物理的な組織空間で発生するソフトで暗黙的な組織文化を研究することが、その組織現象の理解には十分であるとして、組織空間の分析を回避してきたのである。<br />
また、空間を分析する際に、考慮しなければならないものとして、風景(landscape)や音景(soundscape)などがある。組織空間に配置されたメンバーは、その建物や通路、衝立、窓などによって、その風景を決定される。加えて、そこではコミュニケーションについても既定の通路を辿らされることにより、影響を受けざるを得ない。組織内部のメンバーは、その風
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0389-6005
- CiNii Articles ID : 120005656953
- CiNii Books ID : AN00238633