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2022年6月

遺伝性血管性浮腫(HAE)における最近の話題 WAO/EAACIのHAEガイドライン改訂のポイントと治療の進歩について

日本小児皮膚科学会雑誌
  • 福永 淳

41
2
開始ページ
126
終了ページ
132
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児皮膚科学会

血管性浮腫(angioedema:AE)は深部真皮または皮下/粘膜下組織の血管の局所性の拡張と血管透過性の亢進による組織の腫脹を伴う血管反応と定義され、特に顔面浮腫、喉頭浮腫は呼吸困難や窒息を生じる可能性が高く症状の重症化のサインである。AEは治療対策の観点からブラジキニンやヒスタミンなどのメディエーターに着目した分類が実用的である。ブラジキニン起因性血管性浮腫のなかでも遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:HAE)は常染色体優性(顕性)遺伝形態をとるAEでC1インヒビター(C1-INH)遺伝子(SERPING1)の欠損、変異またはその他の遺伝的背景のために生じる遺伝性疾患である。病型という意味ではHAE with normal C1-INH(いわゆるHAE3型)という新しい概念が提唱されている。HAEの治療については発作出現時のon-demand治療、発作の短期予防、発作の長期予防から構成されるが、近年になり使用できる薬剤の種類が増えてきており疾患の管理が進歩している。本稿では、HAEに関するWAO/EAACIのガイドライン改訂のポイントを含めて治療の進歩について解説を行う。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0286-9608
  • 医中誌Web ID : W715040004

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