2011年3月
生活文化的背景が異なる被験者による白色度評価実験結果の比較
日本色彩学会誌
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- 巻
- 35
- 号
- 1
- 開始ページ
- 2
- 終了ページ
- 9
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本色彩学会
白色度の研究はさまざまな国で行われてきたが,それぞれの地域で,独自の試料や方法で実験したものが多い.例え同じ白色試料を用いたとしても,被験者の生活の文化や環境の差異が実験結果に影響する可能性も考えられる.そこで、同じ試料を用いて,海外を含む三箇所で白色度の視感評価実験を行い,異なる生活文化圏の被験者間での比較を行った.実験に用いた白色試料は18種であり,視感評価には順位法を採用した.分析の結果,いずれの実験所においても,被験者の白色度評価傾向は大きく3ないし4タイプに分類されるが,評価タイプと被験者の属性との間には明確な関係が存在しないことが明らかとなった.また,各評価タイプの割合は実験所間で有意差は無く,平均白色度評価結果は実験所間で高い相関が認められた.以上から,被験者間に白色度評価における内的基準の差異が認められるが.それは被験者の文化的背景の相違に起因するものではないことが明らかとなった.CIE白色度指数と全被験者の平均白色度評価結果との相関は高い値であったが.赤みおよび緑みが白さ知覚に与える影響を考慮した内田白色度指数との相関はより高い値であった.
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0389-9357
- CiNii Articles ID : 110008593025
- CiNii Books ID : AN00313976