2014年 - 2015年
時差時における脳内時間環境の恒常性を担う神経分子メカニズムの解明
文部科学省 科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型)) 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 課題番号
- 26111710
- 体系的課題番号
- JP26111710
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 9,360,000円
- (直接経費)
- 7,200,000円
- (間接経費)
- 2,160,000円
- 資金種別
- 競争的資金
コルチゾルといったホルモン分泌など、私達の生理現象には24時間周期のリズムがある。この概日リズムを制御する中枢は、脳の視交叉上核(SCN)である。SCNは、全身の時間制御網により、個体として安定した時間相を構築しているとされるが、その分子神経メカニズムはほとんど解明されていない。本研究課題は、「時差」により、脳内時間恒常性のロバストネスを担うシグナルを解明することを目的としている。近年、私達は、Vasopressinの受容体であるV1aおよびV1bのダブルノックアウトマウス (V1aV1bDKOマウス) が、時差を全く示さないことを見出した(Science, 342: 85-90, 2013)。野生型マウスを時差環境下におくと、SCNの恒常性が破綻し時計遺伝子の振動リズムが消失したが、V1aV1bDKOマウスでは、瞬時にSCNのリズムが回復した。しかしながら、SCNにおける V1aとV1bの機能は未だよくわかっていない。そこで私達は、レポーターマウスからSCNを取り出し、SCNスライス培養下にて、SCN細胞の概日振動をリアルタイムで測定した。野生型マウスのSCNでは、各細胞の概日振動のピーク位相に8時間程度の位相差があるが、V1aV1bDKOマウスのSCN細胞間では、この位相差が小さくなっていた。また、野生型マウスのSCNスライスを用いて薬理学実験を行ったところ、V1aとV1bに対するアンタゴニストを投与した場合に、SCN細胞間の位相差が有意に小さくなった。したがって、SCN細胞間の位相差を8時間程度に保つことが、SCNの時間恒常性に寄与していると考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 26111710
- 体系的課題番号 : JP26111710