MISC

2017年6月

重度限局性歯周炎患者にサポーティブペリオドンタルセラピーを行なっている一症例(Supportive periodontal therapy for severe localized periodontitis)

岐阜歯科学会雑誌
  • 土蔵 杏奈
  • ,
  • 川口 千治
  • ,
  • 安田 忠司
  • ,
  • 金山 圭一
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  • 北後 光信
  • ,
  • 木村 洋子
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  • 竹内 浩子
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  • 向井 景祐
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  • 水野 真央
  • ,
  • 渋谷 俊昭

44
1
開始ページ
117
終了ページ
123
記述言語
英語
掲載種別
出版者・発行元
岐阜歯科学会

【症例】40歳女性。下顎前歯歯肉からの排膿を主訴に来院した。歯周組織検査の結果、歯肉退縮、4mm以上のポケットデプスが21.1%、BOP21.1%であった。#32は7mmのポケットデプスと動揺度II度、#41は7mmのポケットデプスと動揺度I度がみとめられた。エックス線検査および歯周組織検査から限局性慢性歯周炎と診断した。【治療内容と結果】歯周基本治療として口腔清掃指導とスケーリング・ルートプレーニングを行った。歯周基本治療中に患者のモチベーションの向上を誘い、良好なプラークコントロールが確立された。再評価後に数部位にエナメルタンパクを用いた歯周組織再生療法を行った。ポケットデプスは概ね改善され、4mm以上のポケットは1.1%となり、エックス線検査からも歯槽骨の改善を認めた。しかしながら、歯肉退縮による歯間鼓形空隙の増大や、歯肉形態の多様性のため、セルフケアとプロフェショナルケアの重要性が予見された。サポーティブペリオドンタルセラピィーに移行し、2年間を経過しているが、再発の徴候は無く良好な状態を維持している。【結論】限局性歯周炎の治療の結果、部分的歯間部歯肉退縮による清掃性の低下を予見したが、良好な状態を維持している。本症例では、患者のセルフケアと歯科衛生士によるプロフェショナルケアの相互理解と協力が重要であることが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-0072
  • 医中誌Web ID : 2017399698

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