1998年
植物の細胞外電位の長時間計測におけるサーカディアンリズムとステップパルス状振動電位特性(共著)
電子情報通信学会論文誌
- ,
- 巻
- J81-D-11
- 号
- 4
- 開始ページ
- 769
- 終了ページ
- 777
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
植物細胞間には動物の電気シナプスに相当する細胞間結合(ギャップジャンクション)としてプラスモデスム(Plasmodesma)があり, 光や温度など外部環境の変化をいっせいに伝達し, 処理することが考えられる.本研究では, 心電図用の表面電極(Ag/AgCl)と高入力抵抗の高感度差動増幅器を用いることで, 人工気象器内において, 植物(アロエ, Aloe longistyla)の環境刺激(照度, 温度, 湿度, 土壌水)に対する適応的な反応を, 細胞外電位信号(茎電極を基準とした葉面の絶対電位)として長時間(4〜12週間)安定に連続計測可能とした.結果として, 電位信号には光刺激に同期した長時間周期の振動現象(日周リズム)が見られ, 連続遮光下においても依然として, 概日性のリズムが残存し, 内在性の生物時計の存在の可能性を示した.また, 光刺激開始の数時間後に, 短周期(2〜180秒)のステップパルス状の振動電位が顕著に発生することを示した.連続遮光や無潅水下では, リズム電位振幅は減弱し, ステップパルス状の振動電位は停止することから, 細胞外電位信号は光合成や土壌水不足に伴う生理現象を反映していると考えられる.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110003227783
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN1007132X
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/4459016
- ID情報
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- ISSN : 0915-1923
- CiNii Articles ID : 110003227783
- CiNii Books ID : AN1007132X