基本情報

所属
日本薬科大学 薬学部 薬学科 客員教授
静岡県立大学 客員教授
学位
薬学博士(東京大学)
薬学修士(東京大学)

J-GLOBAL ID
200901029992331611
researchmap会員ID
1000356937

1995年静岡県立大学に赴任して, カルコン合成酵素(CHS)の研究を開始し、アサガオに含まれる複数のCHSの特異性を検討して、この生化学的相同性と基質受容性の多様性とに気づかされた。CHS類縁タンパクはその後放線菌からも単離され、現在はPKSIIIと総称される。高等植物ではフラボノイドをはじめとしてナフタレン、クルクミノイド等所謂植物ポリフェノールばかりでなく、アクリドン・インドール・トロパンアルカロイド、さらに植物のレインコートとも言えるクチクラに含まれる超長鎖脂肪酸の生合成までも担っていることが判明した。この酵素はこれまでポリケタイドと見なされなかった植物成分の生合成にも係わっていると思われるが、何故かアントロンとフタリドが取り残されている。生薬で言えば大黄と当帰でどちらも要薬なのだが。アントロンは微生物では少なくとも二通りの生合成が知られているが、(高等)植物にはこのような経路は存在しない。フタリドの生合成も実はほとんど報告例がない。これらの生合成が何故取り残されたか解明できれば、PKSIIIの植物成分全般に対する通有性の由縁を明らかにできるだろう。一方で薬食同源の立場からお茶をはじめとした様々な蔬菜から、漢薬やタイの伝承薬用植物における女性ホルモン様活性成分等様々なアッセイ系で各種生理活性成分の検討を重ねてきた。最近HLA多型に基ずく各種の薬害事象が病因ペプチドとHLAの結合強度がアミノ残残基の僅かな違いによって変化し、それが激しい副作用を生じさせることが明らかになってきている。ベーチェット病や強皮病のような自己免疫疾患も、HLAの多型による同じようなメカニズムが少なくとも一因となっているのは間違いなさそうである。これをアッセイ系として利用した天然薬物の可能性を探ってみたいと考えている。

経歴

  8

学歴

  4

受賞

  1

論文

  151

MISC

  43

共同研究・競争的資金等の研究課題

  26