論文

査読有り
2020年3月

青海チベット高原の放牧密度が高い草地における裸地発生状況について

日本暖地畜産学会報
  • 李 暁琴
  • ,
  • 宋 維茹
  • ,
  • 宋 仁徳
  • ,
  • 李 国梅
  • ,
  • 山本直之
  • ,
  • 西脇亜也

63
1
開始ページ
5
終了ページ
11
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)

青海チベット高原の放牧密度が高い草地における裸地発生状況について検討した.この地域では植生の荒廃が進行していることが知られているが,放牧の状況と裸地発生との関係については不明な点が多い.そこで,青海省曲麻莱県の放牧を行っている農家12戸に対して行った聞き取り調査により羊単位と放牧地面積から算出した放牧密度(羊単位/ha)を算出したところ,平均1.7頭/ha(0.1‐4.1頭/ha)であった.最も放牧密度が高かった農家の放牧地(暖季放牧地)において植生調査を行った結果,Stipa purpurea GrisebやKobresia parvaなどの良質な飼料草が優占する植生が維持されているが,地上部現存量は他の地域よりも少なかった.各調査地点から寒季放牧地までの距離と裸地率との間には有意な負の相関が認められ,放牧地内での裸地発生による荒廃の程度には大きな空間的変異があることが示された.

ID情報
  • ISSN : 2185-081X

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