共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

災害時や在宅ケア用の下肢静脈塞栓症リスク自動評価ツールの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11068
体系的課題番号
JP20K11068
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

令和3年度は、実験-2「下肢静脈エコー画像における静脈領域の自動抽出」と実験-5「下肢静脈エコー動画像から診断に適した断面画像の自動取得」に取り組むために、前年度に申請した倫理申請の承認後に、ボランティアを募り健常者の下肢静脈エコー画像取得を実施した。成人20名分の膝窩静脈のエコー動画像を携帯型エコー(シグマック社製ポケットエコーMiruco)と設置型エコー(コニカミノルタ社製SONIMAGE HS1)を用いてそれぞれ撮像した。エコー動画像をフレーム分割し、46,338 枚(携帯型エコー)と128,494 枚(設置型エコー)のエコー画像を獲得した。これらのエコー画像を対象画像として、実験-5を実施した。静脈の写り具合(診断に適している具合)によって、各画像をexcellent、average、poorの3 つに目視で分類し教師データとした。全対象画像を7:3 の割合で訓練データとテストデータに分割して、事前学習済みのディープラーニングモデルの1つであるResNet101に適用し訓練・分類を行った。分類精度を表すAUC(ROC曲線下面積)は、携帯型エコーと設置型エコーのどちらも0.9前後の良好な値を示した。これにより、DVT 診断に適した下肢静脈エコー断面像を自動取得できる可能性が示唆された。
実験-2については、教師データ(静脈領域の設定)を作成中であり、次年度において続けて実施する予定である。また、実験-3「下肢静脈エコー画像における正常静脈と血栓を伴う静脈の自動分類」および実験-4「血栓を伴う下肢静脈エコー画像からのDVT発症リスクの予測」を次年度実施するために、血栓を伴う下肢静脈エコー画像取得に向けて、倫理承認手続きを申請し承認を得た。承認後、30症例分の血栓を伴う下肢静脈エコー画像を収集し、実験-3と実験-4に向けて、データ整理・準備を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11068
ID情報
  • 課題番号 : 20K11068
  • 体系的課題番号 : JP20K11068

この研究課題の成果一覧

論文

  2