2015年9月1日
肝がん細胞株におけるオーロラキナーゼ阻害剤・ソラフェニブ併用療法の解析
新潟大学保健学雑誌
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- 巻
- 12
- 号
- 1
- 開始ページ
- 57
- 終了ページ
- 63
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 新潟大学医学部保健学科
【目的】肝細胞癌(肝がん)は、化学療法の効果が乏しい予後不良な悪性疾患である。本研究では、新規の分子標的薬オーロラキナーゼ阻害剤の肝がんに対する作用機序を解析した。【方法】肝がん細胞株HepG2にオーロラキナーゼ阻害剤AZD1152を添加し、細胞シグナルをウエスタン・ブロットで解析した。また分子標的薬ソラフェニブをAZD1152と併用して、アポトーシス誘導率や細胞増殖を観察した。【結果】AZD1152単剤は、がん細胞の増殖は抑制するものの、細胞殺傷効果は認められなかった。AZD1152添加後のがん細胞では、ストレスキナーゼERKが著明に活性化しており、ERK阻害剤やソラフェニブを併用するとアポトーシス細胞数がAZD1152単剤に比べ約20倍に増加した(p<0.01)。【総括】AZD1152は肝がんに対する殺傷効果が極めて弱く、ERK活性化がその原因であることが示唆された。ソラフェニブはERK阻害作用を有しており、有意にオーロラキナーゼ阻害剤の効果を増強した。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 2188-4617
- 医中誌Web ID : 2016325050
- J-Global ID : 201602205528846449
- CiNii Articles ID : 120005705926
- CiNii Books ID : AA12680484
- identifiers.cinii_nr_id : 9000006008266