共同研究・競争的資金等の研究課題

1992年 - 1993年

通常赤外分光法を用いた人体中脂質変動の非侵襲的測定法の臨床応用

文部科学省  科学研究費補助金(試験研究(B))  試験研究(B)

課題番号
04557128
体系的課題番号
JP04557128
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
11,800,000円
(直接経費)
11,800,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

これまでの研究で、通常赤外分光法による口腔粘膜の測定が可能になり、測定感度や安全性についても問題無く出来ること、そして血液中のトリグリセリドなどの脂質の変動を予想することが出来るだけでなく、口腔粘膜系の疾患の解析にも今回のシステムが非侵襲的に利用できる可能性を示した。初年度において、口腔粘膜の赤外スペクトルの解析を半自動的におこなうプログラムを開発して、今後の臨床応用への可能性を強固なものにした。今年度は、口腔粘膜の中の測定する場所を容易に変えられるように、これまでの横に渡した丸型ZnSeの結晶の棒ではなく、縦に渡してスポット状に粘膜に当てて位置を変えられるようにしたプローブ(角型ZnSe結晶)とそれを支える付属装置(ATR装置)を試作した。ここでは、このプローブは当初長さが6cm(空気中につきでている長さ)以上あるものにした。これは、口腔内の舌下や、奥の方の粘膜組織の測定をしたいという歯科口腔外科の医師からの要望に応じるために作ったものである。この新しいプローブは上下左右に自由に動かす事ができて、被験者の頭を固定した上で、測定位置を医師自ら変えることのできるシステムとなった。このプローブを使って実際に口腔粘膜を測定したところ、プローブの先端の1cm四方の面積の接触部位での測定でもスペクトルが採れることが解ったが、以前使っていたものよりかなり光の量が少ないことが判明した。また、プローブが長いために先端を口腔粘膜におしつけて測定している間に、鼻から出る呼気に含まれる水蒸気がプローブにかかって大きさの変動するノイズとなって、スペクトル解析を妨害することになることに気がついた。プローブをもっと短くし感度を上げ、水蒸気のノイズをとる工夫をすることによって、臨床応用に供するためのシステムが完成することになる。また、現在も舌癌などの赤外分析データを医師との共同で蓄積している。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/04557128.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-04557128
ID情報
  • 課題番号 : 04557128
  • 体系的課題番号 : JP04557128