共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2002年

スギ・ヒノキは広葉樹より根が浅いか?

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
12660131
体系的課題番号
JP12660131
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,300,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

比較的若齢の造林地か豪雨等で崩壊すると、広葉樹に較べてヒノキやスギが浅根を示すことがその原因であるといわれることが多い。このことを再検討するために、岐阜県の岐阜大学農学部附属演習林において、48年生のヒノキ造林地でヒノキ主林木とそこに侵入したミズナラの根重の垂直分布を比較した。2本の試料木を選んで、地上部に関する調査を行った後に、深さ60cmまでに存在する根をトレンチ法により採取した。深さあたりの根重密度の垂直分布パターンを求めたところ、指数分布にしたがう減少パターンを示した。2本の試料木間で、深さ方向の根重密度の減少率に有意差は認められなかった。回帰式を積分して個体根重の垂直分布を計算した。地表から30cmまでの深さに含まれる根重の割合は、ミズナラ試料木で89%、ヒノキ試料木で94%となり、試料木間で根の垂直分布に極端な違いは認められなかった。また、傾斜地で、ヒノキ試料木は根を谷側に多く配置していたのに対して、ミズナラ試料木は山側に多く配置するという、根の水平分布上の違いがみられた。また、数種類の樹種の根量は、パイプモデルにしたがうことが確認された。さらに、一般に相対成長関係には樹種差が生じるが、相対成長関係式の作成に用いる変数を吟味することで、樹種差のない統一的な相対成長関係式の構築の可能性があることがわかった。これらの知見から、生物学的な根拠を元に、根の深さについて議論することができる。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/12660131.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12660131
ID情報
  • 課題番号 : 12660131
  • 体系的課題番号 : JP12660131