太田 和夫
オオタ カズオ (KAZUO OHTA)
更新日: 04/17
基本情報
- 所属
- 電気通信大学 大学院情報理工学研究科、情報理工学域情報学専攻、Ⅱ類 (融合系) 教授
- 学位
-
理学学士(早稲田大学)理学修士(早稲田大学)理学博士(早稲田大学)
- 研究者番号
- 80333491
- J-GLOBAL ID
- 200901055319109096
- researchmap会員ID
- 1000359788
- 外部リンク
研究テーマ「暗号基盤技術の開発と安全性評価」
21年間企業で研究後、電気通信大学で教育・研究を進めている.
主たる研究内容と成果は
(1)証明可能安全な公開鍵暗号技術と暗号プロトコルの開発
(2)共通鍵ブロック暗号方式の研究開発と安全性評価
(3)ハッシュ関数とその応用方式の安全性評価,および安全なハッシュ関数の設計論
である.
(1)について 証明可能安全性の重要性をいち早く認識し,暗号基盤技術の安全性証明技術の確立と体系化を行った.その成果は世界的にも認められており,代表的な教科書(Katz, ”Digital Signatures”, Springer, 2010)の安全性証明の1つのシナリオとして紹介されている.また,証明可能安全性の対象を暗号基盤技術から暗号プロトコルに拡張することで,社会的にニーズの高い電子入札や電子マネーなどの暗号プロトコルの研究を行った.
電気通信大学に赴任後は,電子政府として調達する暗号関連技術について指針を与えるCRYPTRECプロジェクト(総務省,経産省共催)に参画して安全性評価を担当した.理論研究を深耕するとともに,実用で重要なテーマを取り上げて教育指導して多数の学生を産業界に送り出した.
(2)について 共通鍵ブロック暗号技術の安全性解析手法である差分解析法や線形解読法に対して,NTT開発の共通鍵ブロック暗号(FEAL)の安全性評価を行うとともに,共通鍵ブロック暗号を用いたプロトコルに拡張する研究を行った.
差分解読法や線形解読法など対する安全性を見極めることで,NTTの研究者として責任を果たそうとした.DESとFEALの鍵空間に数学的な構造が存在しないことを計算機実験で確認し,FEAL-8(簡易版)に対しては線形解読が可能なことを指摘して,FEAL-32に対しては線形解読に対して安全なことを証明した.
(3)について (2)で培った安全性評価手法を,ハッシュ関数の安全性評価に拡張し実際に社会で利用されている暗号基盤技術や暗号プロトコルの安全性評価を行った.一定のモデルの下で,安全性を保証できる方式と,ハッシュ関数に起因する脆弱性を有する方式に切り分けることが可能となることを示した.CRYPTRECの安全性評価に大きく貢献した.
具体的には,ハッシュ関数(MD4やMD5など)で現実的な時間で衝突が見つかることを指摘して,ある電子メール用の認証プロトコル(APOP)で利用者のパスワードを31文字まで解読できるとの警鐘を鳴らした.なお,この成果は理論面と実用面の双方から重要な研究と認められ,電子情報通信学会論文賞などを受賞した.
また,安全性なハッシュ関数の設計論も研究し,衝突計算困難性をみたす圧縮関数を部品とすることで,安全なハッシュ関数がシステムとして構成できることを示した.指導した社会人博士(卒業生)は,企業や大学で技術者,研究者として活躍している.
上記のとおり,共通鍵暗号と公開鍵暗号の両方の分野で成果を上げ,難関な国際会議で数多く発表している.その他,暗号基盤技術への脅威として,「量子アルゴリズムに対する公開鍵暗号及び秘密鍵暗号の安全性評価」,「最小ベクトル問題と格子アルゴリズムの公開鍵暗号への応用に関する研究」などを進め,「暗号プリミティブの安全性検証の自動化」についての萌芽的な研究も行った.
21年間企業で研究後、電気通信大学で教育・研究を進めている.
主たる研究内容と成果は
(1)証明可能安全な公開鍵暗号技術と暗号プロトコルの開発
(2)共通鍵ブロック暗号方式の研究開発と安全性評価
(3)ハッシュ関数とその応用方式の安全性評価,および安全なハッシュ関数の設計論
である.
(1)について 証明可能安全性の重要性をいち早く認識し,暗号基盤技術の安全性証明技術の確立と体系化を行った.その成果は世界的にも認められており,代表的な教科書(Katz, ”Digital Signatures”, Springer, 2010)の安全性証明の1つのシナリオとして紹介されている.また,証明可能安全性の対象を暗号基盤技術から暗号プロトコルに拡張することで,社会的にニーズの高い電子入札や電子マネーなどの暗号プロトコルの研究を行った.
電気通信大学に赴任後は,電子政府として調達する暗号関連技術について指針を与えるCRYPTRECプロジェクト(総務省,経産省共催)に参画して安全性評価を担当した.理論研究を深耕するとともに,実用で重要なテーマを取り上げて教育指導して多数の学生を産業界に送り出した.
(2)について 共通鍵ブロック暗号技術の安全性解析手法である差分解析法や線形解読法に対して,NTT開発の共通鍵ブロック暗号(FEAL)の安全性評価を行うとともに,共通鍵ブロック暗号を用いたプロトコルに拡張する研究を行った.
差分解読法や線形解読法など対する安全性を見極めることで,NTTの研究者として責任を果たそうとした.DESとFEALの鍵空間に数学的な構造が存在しないことを計算機実験で確認し,FEAL-8(簡易版)に対しては線形解読が可能なことを指摘して,FEAL-32に対しては線形解読に対して安全なことを証明した.
(3)について (2)で培った安全性評価手法を,ハッシュ関数の安全性評価に拡張し実際に社会で利用されている暗号基盤技術や暗号プロトコルの安全性評価を行った.一定のモデルの下で,安全性を保証できる方式と,ハッシュ関数に起因する脆弱性を有する方式に切り分けることが可能となることを示した.CRYPTRECの安全性評価に大きく貢献した.
具体的には,ハッシュ関数(MD4やMD5など)で現実的な時間で衝突が見つかることを指摘して,ある電子メール用の認証プロトコル(APOP)で利用者のパスワードを31文字まで解読できるとの警鐘を鳴らした.なお,この成果は理論面と実用面の双方から重要な研究と認められ,電子情報通信学会論文賞などを受賞した.
また,安全性なハッシュ関数の設計論も研究し,衝突計算困難性をみたす圧縮関数を部品とすることで,安全なハッシュ関数がシステムとして構成できることを示した.指導した社会人博士(卒業生)は,企業や大学で技術者,研究者として活躍している.
上記のとおり,共通鍵暗号と公開鍵暗号の両方の分野で成果を上げ,難関な国際会議で数多く発表している.その他,暗号基盤技術への脅威として,「量子アルゴリズムに対する公開鍵暗号及び秘密鍵暗号の安全性評価」,「最小ベクトル問題と格子アルゴリズムの公開鍵暗号への応用に関する研究」などを進め,「暗号プリミティブの安全性検証の自動化」についての萌芽的な研究も行った.
経歴
4-
1997年 - 2013年3月
-
2001年4月
-
1979年4月 - 2001年3月
-
1995年10月 - 1998年9月
学歴
3-
- 1979年3月
-
- 1977年3月
-
- 1973年3月
委員歴
43-
2019年7月 - 2021年3月
-
2017年7月 - 2019年3月
-
2017年7月 - 2019年3月
-
2016年10月 - 2017年3月
-
2016年4月 - 2017年3月
-
2016年4月 - 2017年3月
-
2015年10月 - 2016年3月
-
2015年4月 - 2016年3月
-
2015年4月 - 2016年3月
-
2015年4月 - 2015年9月
-
2014年4月 - 2015年3月
-
2013年4月 - 2015年3月
-
2013年4月 - 2015年3月
-
2013年4月 - 2014年3月
-
2009年5月 - 2013年5月
-
2012年4月 - 2013年3月
-
2011年4月 - 2013年3月
-
2011年4月 - 2012年3月
-
2009年5月 - 2011年5月
-
2010年4月 - 2011年3月
受賞
9-
1995年12月
-
1993年5月
-
1993年5月
論文
215-
Theory of Cryptography Conference (TCC2019), Lecture Note in Computer Science, Springer Verlag LNCS 2019年12月 査読有り
-
Advances in Information and Computer Security - The 14th International Workshop on Security (IWSEC2019) poster session 2019年8月 査読有り
-
Security and Communication Networks 2019年1月 査読有り
-
IEICE Trans. Fundam. Electron. Commun Comput. Sci. 00-00 2019年 査読有り
-
IEICE Trans. Fundam. Electron. Commun Comput. Sci. 00-00 2019年 査読有り
-
IEEE Transactions on Information Theory 64(1) 654-685 2018年1月1日 査読有り
-
Information Theoretic Security - 10th International Conference, ICITS 2017 LNCS 10681(Springer-Verlag) 153-165 2017年11月29日 査読有り
-
Advances in Information and Computer Security - 11th International Workshop on Security, IWSEC 2016 poster session 2016年9月12日 査読有り
-
THEORETICAL COMPUTER SCIENCE 630(5) 95-116 2016年5月 査読有り
-
ADVANCES IN INFORMATION AND COMPUTER SECURITY, IWSEC 2016 9836(Springer-Verlag) 91-110 2016年 査読有り
-
CRYPTOLOGY AND NETWORK SECURITY, CANS 2016 10052(Springer-Verlag) 350-364 2016年 査読有り
-
CRYPTOLOGY AND NETWORK SECURITY, CANS 2016 10052(Springer-Verlag) 500-517 2016年 査読有り
-
Security and Communication Networks 9(12) 1663-1675 2016年 査読有り
-
Journal of Cryptographic Engineering 5(3) 187-199 2015年9月10日 査読有り
-
IEEE Trans. Very Large Scale Integr. (VLSI) Syst., 23(8) 1429-1438 2015年8月 査読有り
-
IEEE Information Theory Workshop (ITW2014) 512-516 2014年11月5日 査読有り
-
International Symposium on Information Theory and Its Applications (ISITA2014) 546-550 2014年10月29日 査読有り
-
Security and Cryptography for Networks - 9th International Conference (SCN 2014), LNCS Springer-Verlag(8642) 340-357 2014年9月3日 査読有り
-
J. Cryptographic Engineering, 4(1) 1-16 2014年4月 査読有り
-
Proc. of CT-RSA2014 LNCS Springer-Verlag(8366) 424-443 2014年2月 査読有り
MISC
24-
日本銀行金融研究所 ディスカッション・ペーパー・シリーズ 2017-J-5 2017年3月 査読有り招待有り
-
応用数理学会誌 18(4) 62-73 2008年12月
-
「科学」報告・解説 ? 2008年10月
-
岩波書店「科学」報告・解説 78(10) 1080-1083 2008年10月
-
応用数理学会誌 18(2) 71-78 2008年6月
-
応用数理学会誌 18(1) 23-29 2008年3月
-
応用数理学会誌 18(3) 44-51 2008年
-
電子情報通信学会誌 91(9) 822-825 2008年
-
電子情報通信学会誌 91(3) 218-223 2008年 査読有り
-
電子情報通信学会誌 90(6) 426-430 2007年6月 査読有り
-
Sceince Journal 科学 別冊(岩波書店) 75(11) 1235-1237 2005年11月
-
電子情報通信学会東京支部学生会学生会報 (8) 7-13 2003年 招待有り
-
セキュリティシステム技術調査専門委員会,電気学会技術報告,3.3 章を担当 (738) 31-35 1999年8月
-
日本銀行金融研究所 金融研究 18(2) 57-114 1999年4月 査読有り
-
日本銀行金融研究所 金融研究 18(2) 115-193 1999年4月 査読有り
-
Computer Today, ネットワークシステムと暗号 (86) 10-17 1998年7月
-
特許庁 庁内機関紙 特技懇 (190) 19-30 1997年1月
-
情報処理 37(6) 521-525 1996年6月 査読有り
-
電子情報通信学会 79(2) 131-140 1996年2月 査読有り
-
情報処理 35(1) 55-68 1994年1月 査読有り
書籍等出版物
18-
Springer 2012年
-
共立出版 2010年7月
-
共立出版 2010年7月
-
岩波書店 2005年5月
-
情報セキュリティハンドブック・オーム社 2004年11月
-
岩波書店 2004年3月
-
オーム社 2003年10月
-
共立出版 2003年7月
-
共立出版 2003年7月
-
臨時別冊・数理科学 サイエンス社 2000年9月
-
培風館 1996年12月
-
共立出版 1995年6月
-
ブルーバックス,講談社 1995年2月
講演・口頭発表等
338-
IT・ISEC・WBS合同研究会, ISEC, 7pages, 2019年3月8日
-
電子情報通信学会 情報理論・情報セキュリティ・ワイドバンドシステム合同研究会 2019年3月8日 電子情報通信学会 招待有り
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2019(SCIS2019) 2019年1月23日
-
ISEC, 2018年7月25日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月25日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月25日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月25日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月25日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2018(SCIS2018) 2018年1月24日
-
IT・ISEC・WBS合同研究会, ISEC (5), 7pages, 2017年3月
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2017(SCIS2017) 2017年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2017(SCIS2017) 2017年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2017(SCIS2017) 2017年1月24日
-
暗号と情報セキュリティシンポジウム2017(SCIS2017) 2017年1月24日
担当経験のある科目(授業)
27共同研究・競争的資金等の研究課題
23-
2018年6月 - 2023年3月
-
2018年4月 - 2022年3月
-
2018年4月 - 2021年3月
-
2015年4月 - 2017年3月
-
2014年4月 - 2017年3月
-
2010年 - 2012年
-
2007年 - 2009年
-
株式会社日立製作所システム開発研究所 研究助成 2009年
-
2006年 - 2008年
-
株式会社日立製作所システム開発研究所 研究助成 2008年
-
2004年 - 2007年
-
2004年 - 2006年
-
2004年 - 2006年
-
財団法人電気通信普及財団 2006年
-
2004年 - 2005年
-
2003年 - 2003年
-
株式会社キャンパスクリエイト 研究助成 2003年
-
株式会社アルファシステムズ 研究助成 2003年
-
財団法人国際コミュニケーション基金 研究助成 2003年