2006年
やりとり関係の変容にみられる自閉症幼児の連続する行動の検討
発達心理学研究
- 巻
- 17
- 号
- 2
- 開始ページ
- 159-170
- 終了ページ
- 170
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11201/jjdp.17.159
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本発達心理学会
辻・高山(2004)では,他者と互いの意図を調整しながらやりとりをすることが困難な自閉症児に対する支援のあり方を検討するために,一事例の自閉症児とその母親とのシャボン玉遊び場面でのやりとりを観察した。その結果,対象児は,母親との間でやりとり関係を成立させる中で,自分の行動を連続させることが多くなっていることが明らかになった。そこで,本研究においては,対象児と母親が注意を共有させながらやりとりしている場面に着目し,そこで観察された対象児の連続する行動,すなわち⌈S-S行動⌋を詳細に分析することによって,対象児が母親と互いの意図をどのようにして調整しあったかを探ることを目的に行った。その結果,対象児は,物を介して母親とやりとりをする中で,自己の意図を明確にし,母親も意図を有していることを理解するようになったことが明らかになった。また,そうした理解をベースに,対象児は,母親の行動を予測できるようになり,それによって,自分の意図の調整をするようになったと考えられた。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11201/jjdp.17.159
- ISSN : 0915-9029
- CiNii Articles ID : 110004788661
- CiNii Books ID : AN10229548