2006年11月
コミュニティ・インフォマティックスにおける”場所性”の創出とWeb-GIS:「萩まちじゅう博物館」HAGISの事例を通して
情報文化学会誌
- 巻
- 13
- 号
- 2
- 開始ページ
- 27
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 情報文化学会
「共同性」と「地域性」を軸に議論されてきたコミュニティにおいて,生活の質を向上させるべく環境変化を試みるコミュニティ開発が各地で実践されている。このコミュニティ開発と情報テクノロジーを結びつける戦略的実践をコミュニティ・インフォマティックス(Community Informatics: CI)と呼ぶ。資産ベースのコミュニティ開発手法を採用したCI実践では,GISによる空間情報を活用した取り組みも登場しており,資産データを地図上に可視化することでコミュニティの統合的イメージ形成に貢献している。このような空間情報を戦略的に活用することで,コミュニティの「地域性」の創造を促進できると考える。当小論では,人文地理学の空間論の知見を援用しながら,CI実践におけるGISを利用した「地域性」創造促進の戦略モデルの構築を試み,同時に、山口県萩市における「萩まちじゅう博物館」とHAGISの事例研究を通して,GIS利用による「地域性」強化について検証を行った。結論として,今回提示したモデルの有用性の可能性がとても高いことが明らかになったが,今後の課題としてさらなる量的及び質的調査の蓄積が必要となろう。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1340-6531
- CiNii Articles ID : 110009840660
- CiNii Books ID : AN10540318