共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年4月 - 2003年3月

汎関数解析とFeynman経路積分の数学理論

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
13640189
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
3,500,000円
(直接経費)
3,500,000円

1.研究代表者は、研究全体の取りまとめを行うと共に、Feynman経路積分の数学的基礎づけの研究をつづけた。計画書に上げた目標の伊藤清の理論を拡張することには、残念ながらまだ成功していないが、渡辺一雄助手、佐賀大学の三苫至教授、工学院大学熊ノ郷直人講師の協力を得て、Wiener空間での振動積分の研究を始めた、その中間結果をLisbon大学でのシンポジュームで発表した。
2.分担者黒田成俊は、ポイント相互作用と呼ばれる特異なポテンシャルを持つシュレーディンガー方程式に対するハミルトニアンの構成法に端を発して、レゾルベントを通じて摂動作用素を構成する一般的方法の構築と応用に関し、Stockholm大学のKurasovと共同研究をしまた、長谷とも共同研究を行いそれぞれ成果を発表した。
3.分担者水谷明は、鈴木貴教授(大阪大学大学院理学研究科)と共同で、退化する非線型放物型方程式の有限要素法による近似解法を研究した。この際、順序保存性、L^1空間での縮小写像性を保つスキームを工夫し、その近似解が真の解へL^1空間で収束することを示した。
4.分担者渡辺一雄は、[1]では特異性の高いポテンシャルを持つハミルトン形式の研究をスエーデンのKurasov教授との共同研究を進めている。[2]では、特異性あるポテンシャルを持つハミルトン形式が連続スペクトルの中に埋め込まれた固有値を持つときの研究をした。[4]では大阪大学鈴木貴教授らとともに、Maxwell方程式の解が、空間のある部分多様体に対して、制限を取ると思いがけないなめらかさを持つことを示した。
5.分担者竹内慎吾は、退化拡散項をもつロジスティック方程式の解の漸近挙動を研究した。続いてこの方程式の係数を複素数としたいわゆる(退化拡散の)複素ギンツブルグ・ランダウ方程式の研究を行った。係数が複素数となると解の挙動はよりつかみづらいものになるが、いずれの場合も大域的アトラクターの存在が確認された。特に後者に対して次元によらずに存在が示されたことが新しい。

ID情報
  • 課題番号 : 13640189