MISC

2009年

4.ニフェカラント抵抗性心室頻拍・心室細動に対するアミオダロン静注の有用性(共著)

Japanese Journal of Electrocardiology
  • 草野研吾
  • ,
  • 中川晃志
  • ,
  • 多田 毅
  • ,
  • 永瀬 聡
  • ,
  • 中村一文
  • ,
  • 森田 宏
  • ,
  • 西井伸洋

29
1
開始ページ
26
終了ページ
33
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.5105/jse.29.26
出版者・発行元
The Japanese Society of Electrocardiology

【背景】ニフェカラント抵抗性の重症心室不整脈〔心室頻拍・心室細動(VT/VF)〕に対する静注アミオダロンの効果を自験例で検討した.【方法・結果】基礎心疾患は急性心筋梗塞6例,心筋炎2例,拡張型心筋症1例,肥大型心筋症1例で,心機能がきわめて低下していた症例であった.急性期に大動脈内バルーンポンプ(IABP)あるいは経皮的心肺補助装置(PCPS)などの補助循環が必要とされた症例は7例であった.使用したニフェカラントは,平均で初期投与0.39±0.15mg/kg,持続投与0.34±0.12mg/kgで,QTc時間は平均0.47→0.55secへ延長し,停止効果を7例(70%)に認めたが,頻拍再発抑制効果は認められなかったため,静注アミオダロンに切り替えた.8例では初期から少量持続投与(平均484±166mg/日)が行われた.アミオダロン単独でVT/VF停止効果を80%に,VT/VF再発抑制効果も80%に認められた.心拍数は100→71bpmとニフェカラント前値(95bpm)よりも減少していたが,ニフェカラントによって延長したQTcは0.55→0.47secと使用前値に戻っていた.4例が死亡したが不整脈死は認められなかった.アミオダロン投与にて血圧低下が起きた症例,房室ブロックが悪化した症例がそれぞれ1例認められた.多くの症例で薬物治療以外に,期外収縮を抑制する目的でペースメーカ,鎮静,呼吸管理などが行われていた.【結語】ニフェカラント抵抗性のVT/VF症例に対してアミオダロン静注は有効である可能性が高いが,徐脈・低血圧・房室ブロックといった副作用発現に注意が必要とされる.また,心不全に対する抗不整脈薬以外の治療もきわめて重要であると考えられた.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5105/jse.29.26
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10024857279
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00358282
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00326706419?from=CiNii
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2009129025
ID情報
  • DOI : 10.5105/jse.29.26
  • ISSN : 0285-1660
  • CiNii Articles ID : 10024857279
  • CiNii Books ID : AN00358282

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