基本情報

所属
神奈川歯科大学 口腔難治疾患研究センター 特任教授
学位
医学博士(東京医科歯科大学)
理学修士(東京都立大学)

研究者番号
10014276
J-GLOBAL ID
200901009799715738
researchmap会員ID
1000364810

外部リンク

ケモカインCXCL14(BRAK)は癌の治療,予防に有望な分子である.
我々は口腔がん(頭頸部がん)に対して副作用のない治療法の開発を目的として,身体に存在する細胞外で働くがん抑制分子を探索し,白血球の遊走に関与すると考えられていたケモカインファミリーのCXCL14が移植がんの増殖を抑制する分子であることを見いだした.がんは多段階で進行することが明らかになっているが,野生型(Wt)マウスの10倍のCXCL14を発現するトランスジェニック(Tg)マウスを用いた我々の解析から,CXCL14は化学発がん,移植がんの増殖,転移の3段階をすべて抑制する多段階がん抑制分子であることが明らかになった.
EGF(上皮増殖因子)-EGFR(上皮増殖因子受容体)系は多くの細胞の増殖•分化に大きな役割を果たしているが,同時に種々の癌においてこの系の異常活性化が報告されている.
ゲフィニチブ(イレッサ:EGFR阻害薬)やセツキシマブ(アービタックス:EGFRに対するモノクローナル抗体)は肺癌,大腸がん,口腔がんの治療に使われているが,我々は口腔がん細胞を使用して,ゲフィニチブやセツキシマブ処理によるCXCL14の発現上昇と腫瘍の増殖が逆相関することを見出した.さらに,メラノーマ(黒色腫)細胞の肺転移実験において,50%のWtマウスが死ぬ実験条件で,100%のTgマウスが生存したので,CXCL14の高発現は癌の転移予防にも有効である可能性を示された.マウスとヒトのCXCL14はともに77アミノ酸残基からなるタンパク質であるが,2つのアミノ酸残基の相同変異以外は全く同一であり,また,機能的にも相同性を示したので,CXCL14は将来,ヒトの種々のがんの治療や,予防に利用できる,有望な分子と考えられる.

主要な論文

  124

MISC

  55

書籍等出版物

  9

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17

産業財産権

  1