メディア報道

2022年3月1日

少ないレアアース量でネオジムボンド磁石と同等磁力を持つサマリウム鉄系等方性ボンド磁石を開発


種別
インターネットメディア
発行元・放送局
東北大学,株式会社 東芝 プレスリリース
番組・新聞雑誌名
掲載箇所

国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市、総長:大野 英男、以下「東北大学」)大学院工学研究科、株式会社東芝(本社:東京都港区、代表執行役社長 CEO:綱川 智、以下「東芝」)は、車載用等の小型モーター向けに、性能は現在と同等で、より継続的に生産を続けられ、さらに安価に生産できる可能性のある新しい等方性ボンド磁石を開発しました。磁石素材の主成分であるレアアースを、今後の需要の急騰によって長期間の調達が懸念されるネオジムから、余剰が見込まれるサマリウムに変えました。さらに素材に含まれるレアアースの含有量を約半分に減らしても同等の磁力を出せることを確認しました。本磁石を用いることで、現在の主流となっているネオジム磁石を使用した場合と同等のエネルギーロスの少ない高効率モーターの実現が見込め、カーボンニュートラル社会への貢献が期待できます。

本磁石は、ネオジムを採掘する際に副産物として生まれ、余剰資源となっているサマリウムを使用しています。磁石には、ボンド磁石の他に、大型モーターに主に使用される焼結磁石がありますが、両磁石とも材料として高磁力を可能にするネオジムが圧倒的に多く使用されています。ネオジムもサマリウムもレアアースの一種ですが、副産物であるサマリウムを有効活用することで資源リスクを回避し、各種モーターのサプライチェーンの強靭化に貢献します。

東北大学と東芝は、今後、磁石メーカーと連携して、量産化に向けた製造技術およびモーター製品への適用に向けた開発を進めていきます。

なお、本技術は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術統合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:石塚 博昭、以下「NEDO」)の「部素材の代替・使用量削減に資する技術開発・実証事業」による成果です。東北大学と東芝は、本研究成果の詳細を、令和4年3月16日に日本金属学会春期講演大会で発表する予定です。

リンク情報
共同研究・競争的資金等の研究課題
重希土類を使用しない高性能磁石等の開発/重希土類を使用せず、供給途絶懸念のあるレアアースの使用を極力減らす、又は使用しない高性能新磁石材料を探索するための新しい磁石開発手法の開発
URL
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/03/press20220301-01-rare.html