2019年4月 - 2019年7月
モディファイド磁性粉末による次世代ICT社会対応GHz帯電波吸収体の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
【目的】本研究では,磁性ソフト相・ハード相を含み,その二相組織が制御されたモディファイド磁性微粒子によって,次世代通信帯域で機能できる広帯域かつ薄型の電磁波吸収体の開発を目的とする。令和元(2019)年度は,ハードフェライト微粉末としてFe3O4,ソフト磁性粒子としてFeを購入し,共鳴周波数,電磁波吸収特性を測ることを目的とした。
【実験方法】(1) 上述の通りハード磁性フェライトとしてFe3O4,ソフト磁性としてFeの微粒子を購入し、まずこれらの磁気特性を調べた。(2)また,微粒子の充填率を変えた樹脂複合体を作製し,複素比透磁率μrの周波数依存性と共鳴周波数frを調べた。(3) 次に両者の充填率を変化させた混合粉末からなる樹脂複合体を作製し,(2)と同様,μrの周波数依存性と共鳴周波数frを調べた。(4)上述した(2),(3)の結果から電磁波吸収特性を調べ,電磁波吸収体としての可能性を評価した。
【結果】得られた結果をまとめると以下のようになる。1.Feの樹脂複合体において樹脂の大きさを20μm以下に砕き,40%以上の量にすると誘電率は安定して低下するが、μrには大きな変化は見られなかった。2.FeならびにFe3O4とも樹脂複合体における樹脂の量を多くすることで飽和磁化ならびにμrが低下する。3.FeとFe3O4の混合粉末において飽和磁化はFe量が多くなるほど高く、保磁力は低下する。4.3の樹脂複合体においてFeとFe3O4の量比を変化させることによりfrの制御が可能である。5.4の樹脂複合体は,厚さは厚いものの0.9GHz~2GHzの周波数帯で反射損失RLも-20dB以下となり,電磁波吸収体として機能できる可能性があることが判明した。
【実験方法】(1) 上述の通りハード磁性フェライトとしてFe3O4,ソフト磁性としてFeの微粒子を購入し、まずこれらの磁気特性を調べた。(2)また,微粒子の充填率を変えた樹脂複合体を作製し,複素比透磁率μrの周波数依存性と共鳴周波数frを調べた。(3) 次に両者の充填率を変化させた混合粉末からなる樹脂複合体を作製し,(2)と同様,μrの周波数依存性と共鳴周波数frを調べた。(4)上述した(2),(3)の結果から電磁波吸収特性を調べ,電磁波吸収体としての可能性を評価した。
【結果】得られた結果をまとめると以下のようになる。1.Feの樹脂複合体において樹脂の大きさを20μm以下に砕き,40%以上の量にすると誘電率は安定して低下するが、μrには大きな変化は見られなかった。2.FeならびにFe3O4とも樹脂複合体における樹脂の量を多くすることで飽和磁化ならびにμrが低下する。3.FeとFe3O4の混合粉末において飽和磁化はFe量が多くなるほど高く、保磁力は低下する。4.3の樹脂複合体においてFeとFe3O4の量比を変化させることによりfrの制御が可能である。5.4の樹脂複合体は,厚さは厚いものの0.9GHz~2GHzの周波数帯で反射損失RLも-20dB以下となり,電磁波吸収体として機能できる可能性があることが判明した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H00816
- 体系的課題番号 : JP19H00816