論文

査読有り
2008年3月31日

加齢および臼歯喪失によるマウス海馬の遺伝子発現変化

老年歯学
  • 穂積英樹,高津匡樹,大井孝,土谷昌広,渡辺誠

22
4
開始ページ
358-369
終了ページ
370
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
(一社)日本老年歯科医学会

目的:加齢に伴うマウス海馬の生理的な遺伝子発現変化、およびその変化に対する老齢期における臼歯喪失の影響についてDNAマイクロアレイを用いて検討した。方法:実験には生理的老化を示す野生型マウスを使用した。18ヵ月齢(初老期)に上顎両側全臼歯を抜歯し24ヵ月齢まで飼育したものを抜歯群、18ヵ月齢に麻酔処置のみを行い24ヵ月齢まで飼育したものを対照群、6ヵ月齢で無処置のものを若齢群とし、各群とも3匹のマウスを用いた。マイクロアレイ解析は、観察月齢に達したマウスの海馬から抽出したtotal RNAを用いて行った。さらに、ApoDとDio2の2遺伝子についてRT-PCRによりマイクロアレイ解析の結果を検証した。結果:加齢に伴う発現変動は76遺伝子で認められ、31遺伝子で発現上昇、45遺伝子で発現低下を示した。抜歯による発現変動は59遺伝子であり、49遺伝子で発現上昇、10遺伝子で発現低下を示した。加齢と抜歯の両方で発現変動を示した15遺伝子はいずれも加齢により発現が低下し、抜歯により発現が上昇していた。RT-PCRではDio2でマイクロアレイ解析と同等の結果が得られた。結論:マウス海馬において、加齢と抜歯による遺伝子発現変動は異なっていた。したがって臼歯喪失によって、海馬の遺伝子発現レベルでの生理的老化が増強あるいは促進されるのではなく、生理的老化とは異なる変化が生じることが示された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0914-3866
  • eISSN : 1884-7323
  • 医中誌Web ID : 2008185218

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