僅か二原子層程度のコバルト超薄膜に絶縁膜を介して電圧を加えると,強磁性状態を消したり元に戻したりできることが分かった.温度ではなく電界で強磁性相転移を引き起こすことができた.電界を加えると,コバルト表面の電子濃度は変化する.その変化が磁性に影響を及ぼしたものと考えられる.本稿ではコバルトにおける電界制御を中心に,強磁性遷移金属における磁性の電界制御に関する最近の研究結果について議論する.